社会民主党支持率ゼロ%、存在価値はどこに行った

政治・2022-06-07 18:49
社会民主党支持率ゼロ%、存在価値はどこに行った
閉じる

5月30日の日本経済新聞社発表の「夏の参院選で投票したい政党は?」という世論調査によると、1位は自民党で50%、2位は日本維新の会の8%、3位は立憲民主党の7%だった。さて、社民党はというと、なんと

0%

であった。

社民党は55年体制ができたころ、国民から自民と旧社会党で2大政党制を期待されたほどの政党であったのにだ。

戦後の昭和後半は野党第一党として、護憲・非武装中立。軍縮を掲げた旧社会党は一定の人気があった。田舎の農村部は自民党支持、都市部やインテリ層は社会党支持、そんなイメージすらあった。

終戦後、4番目の総理大臣は旧社会党の片山哲であった。

55年の総選挙では、左派右派に分かれていた旧社会党が3分の1の議席を持ったこともある。これに触発されて保守系の自由党と民主党が合同し、自民党が生まれた。

1989年、バブル真っ盛りのときに土井たか子率いる社会党のマドンナブーム(土井ブーム)が起こり、参議院の第一党になったこともある。

土井たか子の影響で議員になった人を【土井チルドレン】と呼んだが、その中には現社民党党首の福島瑞穂や立民の辻本清美がいる。

94年には自社さ連立政権で社会党の村山富市が総理になったこともある。片山内閣以来47年ぶりの社会党首班内閣であった。

その社会党の伝統を受け継ぐ社民党がいまや風前の灯だ。国会において「政党」と認められるためには

1,国会議員が5人以上所属している
2,直近の国政選挙で全体の2パーセント以上の得票がある

このどちらかの条件を満たしていないと、「政党」とは認められない。現在社民の国会議員は2人。昨年秋の衆院選では得票率2%を割った。

このままだと、この夏で社民党という政党は亡くなりそうだ。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

関連記事
関連タグ
政治新着記事