ウクライナに学ぶ台湾有事 アメリカは参戦するか?

社会・2022-09-15 18:53
ウクライナに学ぶ台湾有事 アメリカは参戦するか?
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ウクライナ戦争を世界中が注目している。ウクライナ戦争がいつ終結するかはまだわからないが、台湾有事の参考になることが多いという。いま一番論じられているのが「台湾有事が起こったとしても、米軍は参戦しないのではないか?」ということだ。

どういうことか? ウクライナ戦争では米軍は直接派兵をしていない。できないのだ。やれば世界戦争になりかねない。

また、ロシアも米軍も、NATO加盟のイギリスもフランスも、核兵器を持っている。そのために米軍やNATOとロシアが撃ち合うようなことになれば、核戦争が起こる可能性が高まる。そのためアメリカもNATOも兵器や資金の提供など後方支援的なことしかしていない。

これはかなりの面で台湾有事と当てはまる。中国も核保有国だからだ。もし、中国が台湾に軍事侵攻してきた場合、ウクライナの場合と同じく兵器や軍事費の提供はするだろうが、米軍を台湾に上陸させるとか、空母等を台湾近海に出動させるということはしないのではないかという専門家もいる。

となると、いまのウクライナのように、台湾だけで中国と戦わないといけなくなる。
兵力差は中国204万人、台湾17万人。ただし台湾には166万人の予備役がいて、投入可能。
艦艇は中国750隻、台湾250隻。
戦闘機中国1270機、台湾323機。
中国戦車6200両、台湾750両であるらしい。

ただし広い領土を持つ中国は、全兵力を台湾に集中することはできないので、ウクライナのような泥沼戦争になるのではないかという専門家がいる一方で、ウクライナから中国は学び、大量の兵士や兵器を使って、一気に征服してしまうのではという専門家もいる。

台湾としては、中国と兵力差があるので、米軍が救援にくるまでなんとか持ちこたえるという作戦であろうと言われてきたが、頼りの米軍が来ないとなると、いくら最新の兵器や資金を提供してもらっても限界がある。

さらにアジアにおいて軍事力では中国はすでに米軍を抜いており、アジアのみに限って言えば、地元だけに中国の戦闘機・艦艇・潜水艦は米軍の5~6倍もあるという。

アメリカは20年にわたるアフガン戦争でアメリカが2.3兆ドル(約250兆円)の戦費を使い、7千人以上の兵士を犠牲にしたにもかかわらず敗北した苦い経験がある。今回も遠いウクライナで核を撃ってくるかもしれない相手に対し、アメリカは若い兵士を送り込みたくはないだろう。これは台湾でも同じことだ。

今年の5月にバイデン大統領が来日したとき「台湾を守るため軍事的に関与する意思があるか」と記者に問われたのに対し、「イエス。それが我々の約束だ」と答えてはいるが、その後ホワイトハウスが否定。アメリカの戦略は、軍事的関与を「あいまい」にするものだが、はたして・・・

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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