プーチンの失敗で中国は孤立するか? 習近平に暗雲も
社会・2022-04-15 18:563月13日、上海交通大学の胡偉教授が「ロシアとウクライナの戦争の起こりうる結末と中国の選択」と題した論文を、インターネット上にアップした。その内容は
「プーチンは目的を果たせず、ロシアは苦境におちいる」
「核兵器を使えば、世界と徹底的に対立し、ロシアの軍事力はNATOにとても及ばないため、ロシアは負け、プーチンは引きずり降ろされることになる」
と、ロシアが負けプーチン政権が倒れることを予測し、「中国はプーチンと一蓮托生だったため、必然的に累が及ぶことになる」と、中国の孤立を心配している。
そして「できるだけ早期にロシアという重荷を下ろすしかない」と、ロシアと縁を切ることをすすめている。
中国はロシアとウクライナという「二兎を追うのを避け、中立保持の立場を放棄し、世界の主流の立場を選択すべきだ」とも書いている。このままだと「ウクライナとその支持者、同情者たちの怒りを買い、中国は世界の多くの国と対立する」と警告。
しかし中国がプーチンの戦争をとめ「世界大戦と核戦争の勃発を制止し、世界平和に貢献すると、国際的に賞賛を得ることができ、世界平和を維持し、保護するための第一級の立役者になることができる」と・・・
しかしこの論文は、即刻ネットから削除されてしまった。胡偉教授の考えは、習近平の考えと真逆にあるためかもしれない。
ただ、中国共産党も一枚岩ではない。習近平政権の3期目を阻止したい勢力があり、また、胡偉教授の論文に賛同する人も多くいる。毛沢東時代への回帰を強め、経済の統制強化や自らを神格化させようとする習近平には、党内での反発も強い。
さらにここにきてゼロコロナ政策の失敗にウクライナ戦争だ。一つ間違えば、習近平はプーチンに足を引っ張られるおそれもある。
プロフィール
おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。
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