台湾戦争は起こるのか?

社会・2022-01-11 13:03
台湾戦争は起こるのか?
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昨年の秋あたりから、盛んに『台湾有事』という言葉を聞くようになった。人民解放軍が台湾に侵攻し、台湾戦争が起こるのではないかというのだ。

2016年、中国共産党機関紙「環球時報」の世論調査によると、中国本土の住人の70%近くが「武力による台湾統一」を強く支持し、37%が「3~5年後に戦争を起こすのがベストと考えている」という結果であったというからおそろしい。

昨年12月、米インド太平洋軍のデービッドソン前司令官は、中国が統一を目指す台湾有事が6年以内に起きるおそれがあると語っている。現実に昨年だけで約950機もの中国軍機が、台湾の防空識別圏を越えて進入と、これまでにない挑発行為を繰り返し、対する台湾軍も、今年に入ってから、戦争に備えて市街戦の訓練を行うなど、実にきなくさい。

デービットソン前司令官がいった6年後は2027年である。習近平政権が、もし3期目をやるとしたら3期目の終わりぐらいになる。そこで習近平がレガシー(遺産)を作るために台湾侵攻を行うのではないかと言われている。

台湾有事が起こったら、間違いなく日本は巻き込まれる。特に南西諸島(尖閣や沖縄を含めた諸島)は、確実に巻き込まれる。そのため自衛隊は近年、南西諸島に9千人ほどの対艦・対空部隊を配置し、いまも駐屯地を建設中だ。

では、台湾戦争は起こるのか? 現実的な路線として、選挙を使い台湾に中国派の議員を増やし、中国に有利な法律を作り、戦争をせずに中国と一体化、やがて香港のように中国共産党が台湾を支配するというものであろう。

武力衝突は米中とも望んではいない。第一次世界大戦のときも、ドイツとイギリス両国とも戦争を望んでいないのにはじまってしまった。戦争はちょっとした誤解や、勘違い、偶然の事故などで起こる場合がある。国際政治において、誤解や誤算が一番怖い。そういった意味でも台湾戦争はいつ起こってもおかしくないと言える。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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