不老不死・不老長寿が現実のものになりつつある

社会・2021-06-04 15:43
不老不死・不老長寿が現実のものになりつつある
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戦後日本人の寿命は急速に伸びた。終戦後は50代前半だったのがいまでは男性81.41歳、女性87.45歳である。

これは医科学の技術革新が大きいが、21世紀のいま、多くの科学者が本気で『不老不死』『不老長寿』の研究をしていて、それは決して絵空事ではないらしい。

まず不老不死だが、人間には肉体という壁がある。我々の精神活動、心や意思の源である脳でさえ肉体の一部であるから、年齢を重ねると老い衰え、活動を停止する。つまり死を迎える。

そこで肉体を捨て、自分の精神や心、意思や記憶をコンピュータに移植する研究が進んでいる。つまり肉体は死んでも自我はコンピュータの中でいつまでも生き続けるというわけだ。

これは東京大学大学院工学系研究科の渡辺正峰准教授が行っていて、20年以内に意識を機械にアップロードすることを目指している。

『不老長寿』に関しては、遺伝子やゲノム研究が急速に発達していて、2040年くらいにはゲノム編集による難病治療は当たり前になり、がんのほとんどは治る病気になると予想されている。

再生医療の発達で、老化したり病気になったりした臓器に、iPS細胞から作製した臓器を移植して復元させることを繰り返すことが可能になりつつある。文字通りの不老である。また、失明者でも視力が復活させる義眼、自分の手足と変わらない感覚で使える義手や義足もかなりの部分使えるようになってきた。

不老の研究をしているグーグル傘下のキャリコのCEOは「人類は500歳まで生きることができる」と言い切る。

20世紀のSF物語がいま実現しようとしているのだ。ただ永遠に生きることがヒトの幸せとも限らないので、いつどのように死ぬかというのも、重大なテーマになってくるそうだ。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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