五輪ボランティア1万人辞退! 組織委「別に影響なし」

社会・2021-06-03 18:41
五輪ボランティア1万人辞退! 組織委「別に影響なし」
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8万人いた五輪ボランティアのうち1万人が辞退した。組織委の武藤事務総長は「別に問題はない」とのことだ。

武藤事務総長によると「辞退の理由は確認していない。新型コロナ感染への不安や、大会延期に伴って、異動など環境の変化があったのかもしれない」とのこと。

ボランティア辞退が増えだしたのは、3月下旬からで、確かに3月から変異株が増えだしてきている。しかしこの時期3月21日には第2回緊急事態宣言が解除となってもいるのだ。

変異株が増え、3~4月の職場等の移動だけでボランティアの8人に1人が辞めると言い出すだろうか?

もちろん、新型コロナ感染を恐れたり、異動でやむなく辞退という人も少なからずいただろうが、それ以上に影響を与えたのは、3月あたりから出てきた「この五輪は中止か延期したほうがいいのではないだろうか」という空気だったのではないだろうか?

2日に行われた東京都議会でさえ過半数の議員が、再延期か中止を主張したというし、国民の8割は五輪の中止もしくは再延期を希望しているのだ。

国民の「なんでこんな時期に五輪をやるの?」という否定的な空気は五輪に好意的なボランティアの人たちにも影響を与えているに違いない。

さらにこれから8万人のうち1万人が辞めたということは、残りの7万人にも大きな心理的影響を与えるに違いない。

ワクチン接種についても、選手に接する人は想定されているが、その他のボランティアは今のところ想定外だ。

またボランティアは、大会用のウェアや身分証明書を届けてもらうのではなく、指定された受付会場まで自費で取りにいかなければならない。この自粛の中、県をまたぐような遠方であってもだ。

ボランティアは好意の奉仕者であって、使い捨ての無償労働者ではない。組織委は辞退者が1万人に対し「影響なし」と言っているが、これからも、辞退者は増え続けるに違いない。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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