旧統一教会 やればやるほど裏目裏目

社会・2022-10-27 18:59
旧統一教会 やればやるほど裏目裏目
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旧統一教会というのは、よほど社会常識がない団体なのというのが、一連の報道等を見てきた素直な感想である。例えば10月7日、旧統一教会の元2世信者・小川さゆりさん(仮名)が日本外国特派員協会で会見している真っ最中に、小川さゆりさん宛てに現役信者である両親から、手紙が届いたのだ。その内容がかなりひどかった。小川さゆりさんの夫が要約してその場で発表したものは

「彼女(さゆりさん)は、彼女が言っているように精神に異常をきたしており、安部元首相の銃撃事件以降、その症状がひどくなってしまっていて、多くの嘘を言ってしまうようになっています。そのためこの会見をすぐに中止するように・・・」

ということであった。

小川さんの病名は「うつ病」と「パニック障害」という病気である。この病気を患った原因は、旧統一教会と両親の育て方である。旧統一教会の公職者からのセクハラもあったらしい。ちなみに小川さんの病気は脱会2年後の4年前に治っている。

普通の親なら、自分の娘に対して「精神に異常をきたしているから、多くの嘘を言うようになった」とは言わないものだ。普通の親でないならなんであろう?「異常な親」ということになるのだろう。この小川さんの両親からの手紙は教会を通して来ているので、教会の人たちも読んで確認したはずだ。というか旧統一教会が両親に書かせた可能性も高い。

普通なら、このメッセージが公表されたら、教会にとって逆効果であるなどというのは常識のある人や団体ならわかるはずだ。つまり教会も常識がないことを自ら公表したということである。

次に10月20日の記者会見で旧統一教会革推進本部の勅使河原秀行氏が「宗教2世に寄り添いさらなる改革を推進するため、教区長の3分の1を2世に切り替える方針」として、20名の2世新教育長を登場させたのだ。

教会や勅使河原氏にしてみれば「教会は2世に寄り添うため、2世信者の3分の1を教区長にしたよ。同じ2世だから苦しんでいる2世の気持ちもわかるはず」と思っているのかもしれない。しかし教育長になれるほどの教会エリートの2世が、脱会したくてもできない2世や親の献金のため生活が苦しい2世に、どうアドバイスをするかなどバカでもわかる。「脱会するな。献金をやめるな」である。当然苦しんでいる2世の問題は解決しない。この教会はバカでもわかることが、わからない大バカということだ。

次に勅使河原氏が、家族を崩壊させられ、長男が焼身自殺した橋田達夫さんのご自宅にアポなし訪問して「メディアに出ないでくれ」とお願いしたことも、相手の気持ちや、この件が公になったら、教会のイメージがどうなるかなどまったく想像できなかったようだ。

これらはすべて教会側が「良かれと思って」やってきたことだが、すべて裏目であった。旧統一教会はその常識のなさゆえに、これからも教会の打つ手は裏目裏目ばかりになるに違いない。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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