デトックスに効果なし! サウナで酒を抜くのは逆効果

エンタメ・2022-10-30 18:11
デトックスに効果なし! サウナで酒を抜くのは逆効果
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反ワクチン・反精神医学を提唱するあるトンデモ内科医の本を読んでいると「向精神薬を抜くためにサウナに入って汗を流すことを治療としてやっている」という一文が出てきた。

「ふむ、この人本当に医者かいな」と、思ったものだ。

覚せい剤使用者が、クスリを抜くためにサウナに入るなんて話も何かで聞いたことがある。覚せい剤はともかく一般的には「サウナで汗をかくことで酒が抜ける」と思っている人も多いのではないだろうか?

いわゆるデトックス療法だ。デトックスとは、毒素や老廃物を汗や尿として体外に排出する健康法である。

もしそうならやめた方がいい。汗をかいてもアルコールも薬の成分も抜けないのだ。カナダにあるオワタ大学のパスカル・インベルト氏によれば、2リットルの汗をかいても、体内から出る汚染物質はわずかに0.1ナノグラム以下であったという。ちなみに1ナノグラムは10億分の1グラムだから、もうほとんどまったく出ない抜けないと言っていい。

むしろ飲酒時の大量発汗は、アルコールの利尿作用とサウナの発汗で、体内の水分が抜けて脱水症状が悪化する一方。水分が体内から抜ける分、血中のアルコール濃度が高くなり危険なのだ。

ではお酒を飲んだ時はどうすればいいか?

筆者のかかりつけ医に聞いたところ「水飲んで寝ろ」であり2日酔いのときも「水飲んで寝とけ」でした。「水も受け付けないほどひどかったら、病院で点滴」そして「サウナや高い温度のお風呂はNG、迎え酒は絶対するな」と。また「お酒を飲んだ翌日は下痢をしやすいから、水を飲め」でした。

さて、デトックスなど効果がない療法や逆効果な民間療法や健康法が世の中にはたくさんある。実は昨年秋に筆者の友人がステージ3の大腸がんで、何度か手術をしたのだが、担当医いわく「いまどきのがんはほとんどが治る。手遅れになるのは、寿命と思われる高齢者か、医者嫌いで苦しくても病院に行かない人か、民間医療やニセ医学を信じてしまう人ばかりだ」とのこと。読者の皆様も気をつけていただきたい。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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