超巨大地震に備えよ

エンタメ・2021-10-06 18:28
超巨大地震に備えよ
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人間とは不思議なもので「30年以内に70~80%の確率で巨大地震が発生する」と言われると、なぜか「30年後か~、そのときは東京に住んでないから安心だ」などと【30年以内】を【30年後】に脳内自動変換したり、被災箇所を【東京】などと決めつけ【自分はたぶん大丈夫】と、考えて何もしない人が多い。

筆者が関西から東京に引っ越すときに「東京は大地震が来るからやめておけ」と言った知人が何人かいたが、その後阪神淡路大震災で被災したのは彼らであった。人間には災害に遭い避難指示が来ても【自分だけは大丈夫】【まだ大丈夫】と思い避難しない人が半数以上いる。

これを心理学では【正常性バイアス】というが、これは過度に何かを恐れたり、不安にならないための脳のメカニズムで、そのため逆に被害に遭う人が多いという。

この心理は新型コロナ禍を含め、あらゆる災害に見られることだ。当然30年以内に70~80%で起こると言われている巨大地震にも当てはまる。

巨大地震と言えば、首都直下型や太平洋側の広い地域を襲う南海トラフなどを思いつきがちだが、日本海側だって1964年の新潟地震、1983年の日本海中部地震、1993年の北海道南西沖地震、2000年の鳥取西部地震、2005年の福岡県西方沖地震、2007年の能登半島地震、2007年の新潟中越沖地震などなど、大きな地震が起きており、日本国内で巨大地震が起こる恐れがない場所などないのだ。

いまもっとも心配されているのが、南海トラフ地震で、東海・東南海・南海の3地震が同時に発生する連動型の地震であり、関東から九州まで広域の大災害になる可能性が高い。

もし 南海トラフが起こると約6千万人が深刻な影響を受け、地震発生後20年間の経済的損失は1400兆円。世界経済が停滞するほどの大被害が予想されている。せめて【自分だけは大丈夫】【まだ大丈夫】とごまかさないで、自分でできる範囲の備えをすべきだ。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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