いま文系に必要なのは数学的思考力だ!

社会・2021-04-21 18:38

2021年から早稲田大学政治経済学部の入試に数学が必須になった。このとき教育界に衝撃が走ったというが、そもそも政治や経済を学ぶのに数学は必須なので、逆に何でいままでやってなかったんだ感がある。

だいたい政治には統計を理解する必要だし、政策を打ち出すときには論理力が必要だ。数学とは論理力、つまり「筋道を立てた考え方と、考える力を養成する学問」でもあるのだ。そして経済も数字を扱うものだから数学ができなければお話にならない。

まあ日本の政治家がこんなにひどいのは、こういった数学的思考ができず、考える力も養ってことかったからであろう。

受験勉強のときに文系理系を分けてしまうのは日本くらいではないだろうか。これは明治時代や大正時代に1日も早く欧米列強に追いつこうと、学生を速成するために受験の時に文系理系を分離したのがはじまりとされる。つまり100年も前のことをいまだに続けているわけだ。しかし学ぶ者にはどちらの素養が必要なのではあるまいか?

いま文系と言われている哲学を見ても、古代ギリシャから中世・近世の哲学者は同時に一流の数学者ばかりだ。

文学を理解するにも数学的思考が必要だ。数学的思考・論理的思考とは、前述したように「筋道を立てて考えること」だからだ。

逆に言えば数学を理解するためには文学的素養が必要でもある。本当の数学とは受験のための数学のように式を解き、ただ一つの正解を導くものではなく「正解のない問題に答えを求めるための学問」である。文学も法律も経済も正解はない。そこに数学的思考が役に立つ。

学問は一つの学問だけではなく多方面に繋がっているもの。理系ばかりと考えがちなAIの研究者にも文系はいるし、理系の一つ医学部出身の小説家もいる。ドイツのメルケル首相は物理学博士だ。

数学が苦手な文系の人は多いが、いま文系にこそ必要なのは数学的思考力ではないだろうか?

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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