地球外生命と地球生命の奇跡 地球は生命が溢れかえる妖星か?
エンタメ・2022-06-29 18:27日本のSF伝奇小説に『妖星伝』というものがある。作者は半村良、徳川吉宗の時代、鬼道衆という超常能力を使う一族が主人公なのだが、この小説にUFOの乗る宇宙人が出てくる。この宇宙人が地球を観ていうのだ。
「この星はおかしい。こんなに生命が溢れかえり、生命同士が殺し合っている星は他にない」
また鬼道衆の一人は
「人々は春が美しいというが、春や夏というのは生命が生命を喰らい合う殺し合いの季節のことだ」
と、まあこんな感じのことを言う。
地球ではあらゆる種類の生命があって当たり前になっているが、いまのところ地球以外の生命は発見されていない。もしかしたら、この宇宙において生命というものはとても珍しいものなのかも知れない。
しかもこの星では植物も動物も、他の命や養分を奪い合い殺し合うことで命をつないでいる。
137億年前に宇宙が誕生し、45億年前に地球が生まれ、最初の地球生命が誕生するまで10億年もの月日がかかった。最初は単細胞であった生命が多細胞に進化するまで、さらに25億年もかかっている。
やがて生命は多種多様な種に分かれ、地球内は生命で溢れかえるようになり、生命は他の生命を殺し、喰らうことで繁栄と絶滅を繰り返し進化してきた。
我々ホモ・サピエンスが地球に登場したのはたった20万年前であり、農耕をはじめて1万年、電気や電波を利用できるようになって、まだ100年程度にしか過ぎない。
その間、我々は人間同士の殺し合いを続け、いまでは全人類を何百回も絶滅させるだけの兵器を開発所持し、いまでは1日に100種類以上、年間4万種の生物種が絶滅し、その多くは人類が原因ではないかと言われている。
地球生命は過去5回、隕石の落下だの氷河期だので、生物種のほとんどが死に絶える大量絶滅を経験してきており、現在6回目の大量絶滅が現在進行形なのだそうな。
地球以外の星にも生命はあるのかも知れないが、一つの生命種が誕生するのは奇跡のようなもの。一つの生命が他の生命を栄養として、命をつないでいくのは、この星に生まれた者の宿命だとしても、我々人類が原因となる大量絶滅や、核戦争はなんとか避けたいものだ。
プロフィール
巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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