UFOは人々の不安を反映する
エンタメ・2021-11-25 18:55米国防総省が、UFO(未確認飛行物体)の調査をするグループを設立すると発表した。国防総省の情報担当次官、統合幕僚本部幹部、国家情報長官室の当局者が統括するという。
UFOは、米国が生んだ文化といっていい。1947年(昭和22)、実業家ケネス・アーノルドが自家用機で飛行中、flying saucer(空飛ぶ円盤)を目撃したのが始まりとされる。
当時は「空飛ぶ円盤=宇宙人の乗り物」という考え方はなく、1949年にパルプ小説を書いていたドナルド・キーホーがでっち上げた宇宙人の乗り物説が、大いに受けて定着。それまでは、ソ連など外国の秘密兵器説が有力だったのだ。
47年のケネス・アーノルドの目撃以前には、第二次世界大戦中に、米国上空で未確認飛行物体が度々目撃されており、「日本かドイツの秘密兵器ではないか」と、騒がれていた。戦争中や戦後の東西冷戦中における核兵器の恐怖や不安があった時代に、UFOは登場したといえる。それから全米で、あるいは世界中でUFOは目撃されるようになる。UFOは人々の不安を反映するものであるらしい。
米国では国防の意味から1949年に空軍の公式UFO研究プロジェクト「プロジェクト・サイン」が調査をはじめ、48年から69年まで「プロジェクト・ブルーブック」という研究機関を設け、51年にはCIAも調査研究をはじめている。つまり米国にとって未確認飛行物体は、それだけ脅威であり、本気で調べていたわけだ。
今回の調査グループも、他国の秘密兵器が米国上空を飛んでいるのではないかと、本気で調査しているのだろう。未確認飛行物体は、ステルス技術やドローンの発達で、50年代よりはるかにリアリティのあるものとなっている
もちろん、地球外知的生命体にリアリティがないなどというつもりはない。地球に人類が存在するように、広い宇宙のどこかにきっと存在するはずだ。いやすでに……
プロフィール
おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。
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