いびつだった戦後左翼は消滅しつつあるのか?
社会・2022-05-27 18:445月23日の朝日新聞に『政治変わってほしいのに…、野党期待できない8割 朝日世論調査』という記事が出た。
内容を引用すると「自民党に対抗する勢力として、いまの野党に期待できるかについて聞くと、「期待できない」80%が、「期待できる」13%を大きく上回った。立憲支持層でも8割が「期待できない」と答えた」と、いうものだ。
ここで注目したいのは【立憲支持層でも8割が「期待できない」と答えた】というところ。
野党第一党の立憲民主党支持者ですら、8割もの人が自民党に対抗する勢力として期待していない。
立憲民主党は戦後左翼の流れをくむ政党である。戦後左翼は主に社会党と共産党が担ってきたが、共産党に疑問を持つ人も多く、野党第一党は社会党であった。
彼ら戦後左翼は、日教組など教育界やマスコミに支持された。
60~70年代、小中高校では、「北朝鮮は素晴らしい国」といったプロパガンダ映画が盛んに上映され、教師は児童生徒に「日本は中国や北朝鮮のような平等な国にならねばなりません」と教育した。テレビに出てくる良識的文化人も同様であった。テレビで「日本を愛してます」と発言しただけで「軍国主義者」と敬遠された。
現実では、中国や北朝鮮の人たちは、虐殺や粛清に苦しんでいたのにだ。
70~80年代、多くの日本人が北朝鮮に拉致されたが、戦後左翼の人たちは「北朝鮮の人たちはとてもいい人だから、そんなことをするはずがない」と否定し続けた。
左翼を否定する気はない。体制に反対する勢力は必要だ。社会主義を取り入れ、福祉国家として成功している北欧などの良い点は、日本も多いに見習ってほしい。しかし戦後左翼はどこかいびつであった。
海外では若者層を中心に「ジェネレーション・レフト(左派世代)」が盛り上がってきているが、日本ではあまり見られない。日本の戦後左翼を見てきた若者層は、彼らに期待していないからだろう。
プロフィール
巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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