クリスマスはイエス・キリストの誕生日じゃないって知ってた?

社会・2020-12-24 07:38
クリスマスはイエス・キリストの誕生日じゃないって知ってた?
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さてクリスマスである。今年は皆さんおうちでパーティーだろうか? 多くの人はイエス・キリストの誕生日だと思っているが、さにあらず。
クリスマスはイエス・キリストの『誕生を祝う日(降臨祭)』であり、実際の誕生日はわかっていないのだ。新約聖書の記述によると、少なくとも冬ではないと言われている。

最初にキリスト教が広まったのは古代ローマだが、元々ローマではミトラ教という宗教があり、太陽神ミトラを祝う冬至の祭りであったという。
キリスト教の代表的なお祭りが異教の祭りであったというのは面白い。

クリスマスはクリス(キリスト)・マス(ミサ・礼拝)という意味。カトリックとプロテスタントは12月25日がクリスマスだが、正教会の多くは1月7日がクリスマス。

同じ神を信仰するユダヤ教とイスラム教だが、キリスト教の母体であるユダヤ教では、もちろんクリスマスは祝わない。ただし「ハヌカー」という年末のお祭りがあるので、これを祝う。
イスラム教はイエスを重要な預言者と認めているが、厳格なムスリム(イスラム教徒)は、クリスマスを祝わない。そうでもないムスリムは、イベントとして楽しんでいるようである。

また本来クリスマスは12月24日の日没から25日の日没までとされていた。これはキリスト教をユダヤ人たちが1日のはじまりを日没と考え、翌日の二日没までと考えていたからだ。

日本にクリスマスが広まりだしたのは明治末期から。いわゆるクリスマス商戦としてである。クリスマスのイメージカラーが赤なのは、1931年(昭和6年)のクリスマスにコカ・コーラ社の広告イラストが赤い服だったのが、コカ・コーラの世界進出で世界中に定着したという。

クリスマスは多くの日本人にとって宗教とは無関係のお祭りである。でもそれでいいじゃないか日本人らしくて。では皆さん、メリークリスマス!

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学教養学部非常勤講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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