ケーキ・チキン・靴下 クリスマスのなぜ

エンタメ・2022-12-19 18:36
ケーキ・チキン・靴下 クリスマスのなぜ
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さていよいよクリスマスですね、キリスト教徒が1%程度の日本人ですが、なぜかみんなお祝いする楽しいクリスマス。
クリスマスと言えば、クリスマスケーキ。でもクリスマスに、イチゴの乗った白いショートケーキを食べるのは日本だけって知ってました?
クリスマスケーキの最初は、洋菓子の老舗『不二家』さんが、大正11年(1922)に、広めたものなのです。
それもそのはず、ショートケーキ自体が『不二家』さんが大正11年に発案したのだそうな。(諸説あり)

そしてクリスマスと言えば、チキンの唐揚げを食べるのも日本独特。
アメリカではクリスマスの日に食べるものと言えば七面鳥。
日本には七面鳥を売っているお店はあまりないので、当然、その習慣はありませんでした。
そこへ1970年、ケンタッキー・フライド・チキンが日本上陸。
続々と支店を増やしていきます。

1971~72年のクリスマスに青山店へ来店した外国人のお客さまが
「クリスマスパーティーを開くのだが、日本では七面鳥が手に入らないから、ケンタッキーのフライドチキンで代わりにする」
と言ったことがきっかけで、1974年のクリスマス前に「クリスマスはケンタッキー」と、テレビCMを流し、新たな「日本の食文化」として定着したというもの。

ショートケーキのクリスマスケーキもクリスマスにチキンを食べるというのも、日本発祥の習慣だなんてちょっとおもしろいですね。
ちなみに海外の人は、その国なりのお菓子やケーキをクリスマスの日に食べているようです。

さて、クリスマスといえば枕元に靴下を置いておくと、その中にサンタクロースがプレゼントを入れてくれるというものがあります。
サンタにはモデルがいて、聖ニコラウスという司教さんがその人。
その昔、ある村に父親と3人の娘が住んでいたのですが、とても貧しく泣く泣く娘を身売りしなくてはならなくなった。
それを知った聖ニコラウスは、父と娘たちを助けるために窓から(一説によると煙突から)金貨を投げ入れたら、暖炉の近くに干していた靴下に入り、無事娘たちは身売りせずにすんだという伝説にちなんだものだそうです。

最初に言ったように、日本にはキリスト教徒はわずかに1%しかいません。
太平洋戦争後。マッカーサーは国家神道を悪の根源と考え、日本をキリスト教国にしようと、1000万冊もの聖書を配り、日本人は喜んで聖書を受け取りました。
聖書を読むためではありません。
物資不足の時代、聖書の紙質は、タバコの巻紙にちょうど良かったのです。

いまでも「日本は世界でもっともキリスト教の宣教が難しい国」と言われているそうです。
しかしそこは、神道に仏教、キリスト教となんでも取り入れちゃう混交宗教(シンクレティズム)の国。

日本人はクリスマス、バレンタイン、ハロウィンと楽し気なことはちゃっかり取り入れちゃいました。
いいじゃないですか、みなさん楽しみましょう。ハッピークリスマスを。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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