米軍は台湾を本当に守るのか?
社会・2022-01-13 18:51台湾有事がいつ起こってもおかしくない時代になってきた。台湾有事が起これば、100%の確率で、沖縄が巻き込まれる。それは沖縄の米軍基地や、自衛隊駐屯地が攻撃されるということであり、近くに住んでいる民間人、つまり我々日本人市民が攻撃にさらされる可能性が大きいということでもある。そこでひとつの疑問が起こる。はたして米軍は、台湾を本当に守るのであろうか?
まず、日本と米国は同盟国だが、台湾と米国には、安全保障条約はなく、米国に台湾防衛の義務はない。ただし米台には台湾関係法というものがある。これは元々あった米華相互防衛条約という安全保障条約であったが、79年の米中国交正常化によって破棄され、それに代わるものとして作られたものだ。
台湾関係法では台湾有事は「重大関心事」とされ、台湾を守る義務はないが、権利はあるということになっている。しかし米国が台湾のために自国の兵士の命を危険にさらすかどうかはわからない、という態度をとっているのだ。
これを「戦略的あいまいさ」といい、台湾が中国に武力攻撃を受けた際、米国がこれにどう対応するか明言しないでおくという政策である。
もし米国が「中国が手を出したら台湾を絶対に守る」と言い切ると、当然、中国は猛烈に反発し、かえって強硬な手段に出かねない。また、もし米国がそういいきれば、台湾が米国を頼りにし、独立運動をするかもしれない。
そうなると、かえって台湾有事を誘発することになりかねないため、米国は台湾有事に関しては「あいまい」にしているというわけだ。
しかしもし、本当に中国が台湾に侵攻すれば、米国もだまってはいない。いま、米国が先に、中国に手を出すことは考えられない。出すとしたらそれは中国からだ。
ただそれは米中双方とも望んでいない。台湾有事があるとしたら、ちょっとした勘違いや偶然の間違いからだろう。
プロフィール
おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。
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