落ちこぼれを量産するニッポンの教育。そろそろ変えたら?

社会・2021-05-19 18:45
落ちこぼれを量産するニッポンの教育。そろそろ変えたら?
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「教育七五三」という言葉がある。

3割が小学校で勉強についていけなくなり
5割が中学校で落ちこぼれ
7割が高校の勉強についていけなくなることを現わした言葉だ。

これはどういうことかというと、日本の大人1万人人を無作為に集めたとする。すると3千人人は小学生の勉強レベルがわからないということだ。

小学5年生で学ぶ算数に「約数」がある。約数の定義は「整数Nを整数aで割り切れるときaはNの約数と言う」である。

この約数がわかれば、中学生のときに習う「因数分解」が理解しやすくなる。「因数分解なんて実社会で使わないし必要ない」という人もいるが、実際はかなり使っている。

例えば「客の数」これが因数。次に「客単価」これも因数。この二つの因数を分けて掛けると

客の数×客単価=売上

と売り上げがわかる。「なんだ当たり前じゃないか」と思うほど当たり前。

これをもっと細かく多方面に計算し、会社の経営とか今後の方針に応用する人と、思い付きや感情で会社経営をする人と、どちらが失敗しにくいだろうか?

計算して論理的に行動する人と、そうでなく思い付きや感情で行動する人。この違いは大きい。

日本の教育は個人に合わせて教えるシステムではなく、もし小学5年生に習う「約数」の授業のとき、たまたま風邪で1週間休んでしまったら、その子はその後、落ちこぼれていくシステムなのだ。

これは算数や数学だけでなく、他の科目も同じで小中学時代に落ちこぼれた人が行く高校だと、簡単な文章も理解できない人が多い。大卒でも少なくない。

そういう人が増えるとどうなるか?

政治家ひとつ選ぶにしても「顔がいいから」とか「なんかいいこと言っているから」といった基準でしか選べなくなる。そうならないためにも、いまの落ちこぼれを量産する教育システムは、変えた方がいいのではないかと思う次第である。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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