格闘技興行に八百長はつきもの?
スポーツ・2022-01-06 18:50大晦日の格闘技興行『RIZIN』でシバターが久保優太に一本勝ちした。派手な飛びつき腕十字固めであった。ところが試合後にシバターが久保に”台本“を持ちかけ、シバターがそれを破ったことが、久保の告白で公けになった。
つまりシバターがプロレス用語でいう『ブック破り』をしたというのだ。ちなみにブックとは台本という意味である。
筆者は、一時期プロ格闘技の興行や選手のコーチやセコンドをしていたことがある。プロ興行において、八百長や片八百長はときとしてあることだ。(片八百長とは、一方の選手は真剣勝負と思っているが、実はもう一方の選手に負けが決まっていること)
筆者自身も、ある地方興行に選手を率いていったとき、興行主から「A選手は地元のスター選手だから、おぐらさんのB選手に早いラウンドで倒さないように言ってくれないか」と言われたことがある。興行主も筆者も、B選手の方が圧倒的に強いことがわかっていたので、筆者はB選手に「いいか、3ラウンドまでは絶対倒すなよ、プロなんだから会場を盛り上げて4~5ラウンドで倒せ」と命じたことがある。
結果、B選手は最終ラウンドの5ラウンドで、相手選手の腕を回し蹴りで蹴り折ってしまった。これも、もしかしたら片八百長の一種と言えるのかもしれない。
他にも90年代初頭、ある異種格闘技戦が売りの団体の選手で、来日した外国人選手にいつも負ける選手がいた。その格闘技団体は、その選手だけ最初に真剣勝負をさせ、そこで外国人選手の実力をはかり、そこから台本が作られていたというのを、本人から聞いたことがある。
格闘技通の友人が言うには『RIZIN』の制作はスポーツ班でなく、バラエティ班が担当しており、シバターは勝負よりも話題作りで採用だし、「非公式戦」だからなんでもありとのこと。
ただ、こういうのを許していると、やがてファンは離れていくと思うばかりだ
プロフィール
おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。
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