【女子空手五輪代表パワハラ被害事件】日本のスポーツ界よ、もう昭和とおさらばしよう
スポーツ・2021-04-01 13:23空手の東京五輪女子代表の植草歩選手が、全日本空手道連盟の香川政夫強化委員長から、パワハラや竹刀で目をケガさせられたと訴えている事件で、全日本空手道連盟の倫理委員会が、3月31日、両者から聞き取り調査を行った。
それまで、香川氏は、「女子選手に直接触れないように竹刀を使って指示をすることはあるが、顔を突くことはない」と、言っていたが、それは大嘘であったようだ。植草選手以外にも、竹刀で目を突かれ複数人おり、香川氏も言い逃れはできないであろう。
植草選手は以前にも、左眼内壁を骨折しており、次に左眼を負傷すると失明の恐れがあった。当然、このことは香川氏も知っていたはずだが、香川氏は竹刀で今年1月に、左眼球打撲傷を負わし、その治療にあたった医師は、指導方法の見直しを提言するも無視している。
竹刀で顔を突くという練習法は、昭和のスポコン漫画に出てきそうだが、いまどきそんな練習で強くなれない。
昭和的指導としての「しごき」「精神論」「根性論」もいまだに残っている。今回の事件でも顔に防具なり、竹刀にクッションをつけるなどを選手が香川氏に願い出ても、精神論・根性論で受け付けなかったという。
現代のスポーツは精神論や根性、しごきなどでは世界のトップに勝つことは難しい。海外のトップアスリートは、精神的にも肉体的・技術的にも科学的根拠にもとづき鍛え上げられており、昭和のスポコン的指導では、刀でマシンガンに突撃するようなものなのだ。
そして暴言、体罰といった行為が日本の場合、武道、野球など伝統的なスポーツほど色濃く残っている。もうそんな昭和的な指導は改めるべきだ。
それにしても今回は五輪4カ月前に起こったこの事件だが、これほど直前にいろいろな問題が起こる五輪もめずらしいのではあるまいか?
プロフィール
おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学教養学部非常勤講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。
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