近頃の万引き

エンタメ・2021-12-11 18:50
近頃の万引き
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介護職員の女が、高齢者施設の入所者の体内に、空気を注入して殺害。逮捕された。容疑者の女は、11月21日にスーパーで牛肉など11点、5000円相当を万引きし、私服警備員に見つかり、逮捕されている。通常、一回くらいの万引きで警察に連絡ということは、あまりないと思われるので、おそらく万引きの常習者であったのであろう。

万引きは『窃盗罪』という立派な犯罪だ。通産省の「商業統計」によると万引きの被害額は1日約12億6000万円、年間約4615億円。検挙されていない被害などを含めると10倍の約4兆6000億円もの損失があると言われている。

本屋さんなどは、万引き犯に狙われることが多く、万引きが原因で年間500店舗が廃業に追い込まれていると言われている。

最近の万引きの特徴として、「転売目的」が挙げられる。彼らはグループで行動し、仲間が店舗で騒ぎを起こしている隙に、ごっそり持っていくなど大胆な犯行もあるという。

摂食障害という精神病が、原因のこともある。摂食障害には大量の食べ物を「食べ吐き」を繰り返す症状があるが、その心理に「太りたくない、もっと痩せたい、でも食べたい」というものがあり、そのため「食べ吐き」を繰り返すことになるのだが、当然、大変な食費がかかる。そのため万引きを繰り返すようになるのだ。摂食障害はダイエット目的からかかってしまう場合が多く、まさに現代の病といえよう。

一昔前まで、万引きは未成年の犯罪というイメージがあったかもしれないが、いまや全世代で発生しており、とりわけ高齢者に多い。警察庁による2019年のデータでは、すべての万引き検挙者のうち、40.2%が高齢者の犯行であった。

万引きは再犯率も高く、常習化すれば「万引き依存症」(窃盗症・クレプトマニア)と呼ばれる精神病となる場合もある。万引きの動機は、転売・ダイエット・ストレスや貧困など様々であろうが、この犯罪は世の中を写す鏡であるかもしれない。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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