時代劇に見る日本人のヒーロー像とは?

エンタメ・2021-11-26 18:54
時代劇に見る日本人のヒーロー像とは?
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アメリカンヒーローの映画を観ていると「アメリカンヒーローっておっさんばっかりやな」とか「日本では大富豪のヒーローってあまりいないな」なんて思っておりました。

日本のヒーローはたいてい、高校生や子ども、あるいは一種の警察や自衛隊のようなものに所属した公務員が主人公。

アメリカンヒーローは、基本的に個別に活躍。日本のヒーローは警察や自衛隊のようなものに所属しているから、最初チームで動いて、最後に変身して敵をやっつけるなど、いかにも日本人っぽい。

そこでふと時代劇のヒーローはどうだろうと思ったわけです。定番時代劇といえば『暴れん坊将軍』『水戸黄門』『大岡越前』『遠山の金さん』・・・ 将軍は、実質日本の最高権力者、副将軍も相当なもの(実際は副将軍なんて役職はないのです。水戸藩が勝手に名乗っているだけ)、町奉行は現代なら、東京都知事・警視総監・最高裁判所長官・消防庁長官などなどを一手に引き受けているような人。

うん、見事に超公的権力者ぞろい。もちろん、素浪人ものや任侠ものもあるけれど、それはこの際置いといて。

そんな超権力者が、町をふらふらと出歩いたり、旅に出たりして庶民を苦しめる悪人をやっつけてくれるわけで、悪人たちも、主人公たちの正体がわかったとたん「へへ~」と平服しちゃうのがほとんど。

まあこれが、日本庶民の希望なんでしょうなあ。自分たちはあまり手を汚さず、すごい力を持った正義のヒーローがどこからかやってきて、悪を懲らしめてくれる。メデタシメデタシ。

つまり庶民も悪党も、権力には、あまり逆らわない。

そういった意味では、苦難を乗り越えて主君の仇を、自分たちで討つという『赤穂浪士』はめずらしいヒーローかもしれませんね。しかもほぼ全員切腹という悲劇なのに。

まあいろいろと例外はあるにしても、ヒーローなどを眺めてみたら、日本人の国民性が少し透けてみえるように思った次第です。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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