益虫?害虫? クモ・ゲジゲジ・カブトムシ

エンタメ・2022-08-10 18:00
益虫?害虫? クモ・ゲジゲジ・カブトムシ
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夏場は人間の住み家にいろいろな虫が訪問したり棲みついたりする。ほとんどの場合その虫たちは人間に歓迎されない。薬屋さんやスーパーにいけば、そういった虫たちを撃退するための殺虫剤が並んでいる。

ただちょっとまってほしい。虫の中には人間にとって役に立つ【益虫】もいるのだ。農家の中には、その益虫を購入し畑に放す場合もあるという。多くの場合、益虫は人間にとって困りものの虫を食べることで役に立つらしい。

たとえばほとんどの人が大っ嫌いであろう【G】ことゴキブリの天敵をご存じであろうか? それはグロテスクな容姿でおせじにも人気者とはいえないゲジゲジなのだ。ゲジゲジは姿がムカデに似ていて正式名称には「ゲジ(蚰蜒)」。ゲジゲジには日本に2種類いてよく見かけるのは体長20~30ミリ程度の「ゲジ」と関東以南に住む45~65ミリの「オオゲジ」

人間には無害で中にはペットとして飼う人もいるとか。このゲジゲジは長くたくさんある足が特徴だが、そのスピードはゴキブリ以上で、ゴキブリやハエを捕らえて食べてしまうのである。

やはりお世辞にも人気者とはいえないクモも益虫だ。家の中に出てくる大型のクモであるアシダカグモはゴキブリを捕食し、小さなハエトリグモは、ハエやアリなどを捕食してくれる。

姿がかわいいテントウムシは益虫の種類と害虫の種類がいる、ナナホシテントウはアブラムシやハダニ、アカホシテントウはカイガラムシ、キイロテントウはうどんこ病の原因となる菌を捕食してくれる。ニジュウヤホシテントウはナス科の葉を食べるため害虫とされている。

では子どもたちに大人気のカブトムシやクワガタムシはどうなのだろうか? ペットショップでは数百円からオオクワガタになると数万円もするらしいのだが・・・

実はカブトムシもクワガタムシも害虫なのです。カブトムシやクワガタムシはクヌギなどの樹液を吸うのですが、モモ、ブドウ、リンゴなどの実の果汁も吸ってしまうため、果樹園農家さんにとっては大敵なんだとか。

筆者が子どもの頃、ペットショップで少ないお小遣いを出して買うほど好きだったカブトやクワガタが害虫とはいささかショックである。

益虫も害虫も、あくまで人間目線でのことで、虫たちに罪などあろうはずがない。ゲジゲジやクモは益虫でありながら、容姿の気味悪さから【不快害虫】とも呼ばれている。筆者もゲジゲジや大きなクモは苦手だが、ほどよい距離感で付き合っていきたいものだ。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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