日本はオワコン? 第4次産業革命の時代はどうなるのか?
エンタメ・2022-08-10 10:19これまで我が国は「失われた30年」と言われ、先進国の中でも生産性が低く、給料も全然上がらない時代が続いてきた。このままでは「失われた40年」となっていく可能性も否定できない。
そんな時に主要国の中で日本だけが、経済成長していないにもかかわらずITやAIの『第4次産業革命』の時代をむかえてしまっている。
日本が世界から取り残されたのは、昭和時代の考え方が負の遺産となって足を引っ張ってきたからだ。昭和時代の考え方とは「滅私奉公」「年功序列」「決められた枠の中で生きる」などなど。
しかしもう誰も昭和時代に当たり前であった「学校を出て就職。20代後半で結婚。子どもは2~3人。30代でマイホーム購入。なるべく転職しないでその会社で定年まで頑張る。老後は悠々自適の年金暮らし」などという人生設計など信じていない。そんな価値観はもうとっくに壊れてしまっている。
この大変革期においては、いまこの世の春を謳歌しているように見えるGAMA(グーグル、アマゾン、メタ、アップル)も、10年後どうなっているかわからない。
これまでのサラリーマンは、会社に最適応することで生きてきた。まさに「会社命」の人生だ。しかしいまや「滅私奉公」「サービス残業当たり前」の時代から「副業歓迎」「残業しないで」と変化してきている。会社自身が「君たちのことは面倒見切れないから、自分のことは自分でしてね」という時代が来たともいえる。
逆に言えば一つの会社や仕事にしがみつかず「滅私」ならぬ「自分のため」に働く姿勢と、スキルが必要になってきたということだ。
第4次産業革命を生き残るのに必要なのは「適応能力」だ。終戦直後、戦前の常識が覆される中、日本人は新しい時代に適応して生き残ってきたがごとくだ。
これらは決して絶望の時代が来たという意味ではない。社畜の時代が終わり新しい希望の時代が来たとも言える。77年前日本は焼け野原になった。そのとき日本はおしまいだという人もいた。しかし同時に希望を持つ人もいた。結果は希望を持つ人が正しかったのだ。敗戦後日本はGDP世界2位にまで成長した。
いま、「日本はオワコン」という人は多い。しかしそれも昭和的な見方だ。いまある昭和的大企業はこれから衰退していくことだろう。そのほとんどの社長が、サラリーマン社長であり時代の変化についていけていない。日本の経団連の20人いる会長・副会長は、ディー・エヌ・エー会長の南場智子氏以外、すべて男性でサラリーマン社長や会長であり、創業者は南場氏しかいない。しかも南場氏以外、65歳以上で転職経験ゼロの人ばかりだ。
つまり経団連自体が老害化しており、これからそういった人たちが幅を利かせている大企業は衰退し、ベンチャーが伸びてくるだろう。これが第4次産業革命であり、これができなければ、本当に日本はオワコンだ。
プロフィール
巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
-
認知のゆがみという不幸 2023-01-30 18:35
-
独身で恋人がいる割合は約3割 7割が恋人なし 2023-01-28 18:16
-
昭和ノスタルジー 昭和30年代は日本の古き良き思い出の時代 2023-01-27 18:35
-
食文化の歴史 プロの料理と家庭の料理 2023-01-25 18:45
-
人間を縛る時間の発明は人を幸せにしたのか 2023-01-17 18:23
-
人生はすべて運である。では運を良くする方法はあるのか? 2023-01-14 18:02
-
その雑談があなたを救う 2023-01-11 18:53
-
我々は人類史上もっとも便利な時代を生きているのに・・・ 2023-01-10 19:13
-
アメリカ人は昔牛肉より豚肉を好んでいたってホント? 2023-01-08 18:36
-
創世記の失楽園は人類が衣服と農耕を発明したことを表している? 2023-01-07 18:03