座間9人殺害犯は死刑でいいのか?
社会・2020-12-20 17:28神奈川県座間市で男女9人を殺害し、強盗・強制性交等殺人罪などに問われた白石隆浩被告は、死刑判決を受けた。弁護側はこの判決を不服として18日に控訴した。その一方、当の白石被告は「弁護側が控訴しても取り下げる」と語っているという。
連続殺人犯や大量殺人を犯す中には「自分1人では死にきれないから、死刑にしてもらおうと思った」という人がいる。心理学や精神医学ではこれを『拡大自殺』と呼ぶ。
そういう犯人に対して「1人で死ね」と多くの人が思うのは自然だろう。また「死刑で当然」という人がほとんどだと思う。『死刑制度の存続』について内閣府が調べたところ
・死刑は廃止すべきである 10%
・死刑もやむを得ない 81%
・わからない・一概に言えない 9%
であった。圧倒的に死刑制度について賛成している人が多いのだ。ただ18~29歳代は、死刑廃止が17%もおり、この年代は「将来廃止したほうがよい」と思っている人が、54%と半分以上いる。
また「死刑もやむを得ない」と答えた人の理由としては、「遺族感情」「凶悪犯罪は命をもって償うべき」「廃止すれは殺人が増える」といったものだ。
死刑容認派がいう「遺族感情」だが圧倒的多数は遺族ではなく、「もし自分が愛する人が殺されたら……」という思いであろう。また、「廃止すれば殺人が増える」といったエビデンス(科学的根拠)はないらしい。
現在、執行を待つ死刑囚は109人、その中には「自殺したいが自分ではできないから死刑になりたい」と言う人の望む通りにしていいのか? 遺族の思いは、他人が想像するように単純に極刑で晴れるのか? 冤罪の問題はどうする? という思いが筆者自身にはある。この問題はどうにも難しそうだ。
現在、法律上または事実上死刑廃止国は、142ヵ国、死刑執行国は20ヵ国である。
プロフィール
おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学教養学部非常勤講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。
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