第二次世界大戦で得した国はどこだろう?

社会・2020-12-09 12:25
第二次世界大戦で得した国はどこだろう?
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1941年12月8日、日本海軍が真珠湾攻撃を行い、日本は米国との泥沼の戦争を行うことになる。
時はまさに第二大戦真っ最中、この大戦でいったい誰が得をしたのだろう?

ルーズベルト米大統領は、第二次世界大戦に参戦したくて仕方がなかった。理由はブロック経済。共通通貨を使う自国と植民地の間だけで行われる貿易体制。米国は当時世界最大の工業大国だけど、売る場所が自国しかない。
欧州市場はそれまで英仏が占めており、じゃあもっとも人口の多い中国市場をと思ったら、日本が先に手をつけている。

そこで世界大戦に参加することで、欧州の市場を奪い日本を叩いて中国市場をいただいちゃえ! と、まあこう思った。

しかし当時のアメリカ国民は厭戦気分。そこでルーズベルト大統領は、日本の石油をとめたりして挑発し、まんまと乗せられた日本は真珠湾攻撃。これには厭戦気分だった米国民も超激怒となり、米国参戦。

結果、ドイツと日本は負けたのだけど、米国としては、欧州市場の半分はソ連に取られ、中国は巨大な社会主義国になっちゃって思惑は大外れ。英仏は経済的に疲弊して植民地経営もままならなくなり、ほとんどを手放すありさま。

結局、第二次世界大戦で得をしたのは、ソ連と中国ってことになりますなあ。スターリン率いるソ連は大戦後に東欧を支配下に置き、毛沢東率いる中国共産党は大戦後、ソ連からの軍事支援で内戦に勝利し、中華人民共和国を設立する。

とはいえ、ソ連の犠牲者数は約2060万人と最大。中国は1320万人と二番目に犠牲者が多い。全国が焼け野原になった日本でさえ300万人ということ思えば、なんと犠牲者の多いことか。

また、その後のソ連崩壊、毛沢東の農業政策の失敗や粛清によって4000万人とも6000万人とも言われる人々が死んでいる。と……、すると第二次世界大戦で得をした国というのはないのかもしれませんな。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学教養学部非常勤講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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