未来は希望か絶望か?
社会・2022-11-03 18:43さて、未来についていいニュースと悪いニュースがある。どちらを先に聞きたい? では明るい未来についてから語ろう。
まず今現在、科学技術の進歩は凄まじい勢いで進化し続けている。空飛ぶタクシー、自動運転車などはあと10年前後に実用化しそうだ。宇宙旅行はもっと気楽に行けることになるだろう。
医学の進歩はもっと早くなる。
全てのがんの5年生存率は90年代なかばだと49.8%だったが、いまでは68.6%と7割近くにまで上がっている。しかしそう遠くない未来、ほぼすべてのがんは撲滅できるようになると言われている。
近年我々の寿命は大きく伸びて来た。これも科学技術のおかげである。黒澤明の名作映画『生きる』の主人公は51~53歳という設定である。しかしどう見てもおじいちゃんだ。
しかしそう遠くない未来、老化したり不具合が起こった臓器にiPS細胞から作製した臓器を移植し、良好な状態に復元させることを繰り返す。その繰り返しで寿命を延ばし続けることができると言われている。言ってみれば限りなく不死に近い状態になるというのだ。
「いくら長生きできても頭がボケてくるんじゃあ」とお思いのあなた。2022年9月28日、製薬会社のエーザイが認知症の7割を占めるアルツハイマー病の新薬を発表、来年中の承認を目指している。
おそらく今後認知症の治療薬と予防薬はさらに開発され、ボケる人は限りなく少なくなるだろう。ボケなくなる薬というのは、記憶力が良くなる薬でもあるので、高齢者以外でも使うようになれば、国民全体の知能指数や記憶力も上がってくるということでもある。
逆に絶望的な部分では、人間では防ぎようがない天災だろう。南海トラフ地震と首都直下型地震は30年以内に70〜80%の確率で起きると言われている。富士山爆発もいつ起こってもおかしくない。
この3つは連動するという説もある。バラバラに起きたとしても、例えば南海トラフ地震だけで被害者は東日本大震災の15倍、経済的被害は13倍だという。
地球温暖化など環境問題も絶望的だ。気温上昇や干ばつによる世界規模の水不足と食料不足で水や食料争奪戦が起こる可能性もある。
大地震や富士山噴火などは人間に止められないが、環境問題は人間の知恵で止めるなり遅らせることは可能だ。
地震等については保険に入るなり、道路や鉄道が寸断されるから、しばらくは持ちこたえられるように水や非常食を準備するなりして備えておいた方がいい。
やがて明るい未来も絶望的な未来も、おそらく両方来ることだろう。どちらにせよ、人間の叡智が深く関わってくる話だ。
プロフィール
巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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