なぜひき逃げ無免許都議木下ふみこを辞めさせることができないのか?

社会・2021-09-24 10:44
なぜひき逃げ無免許都議木下ふみこを辞めさせることができないのか?
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都議選中に無免許運転で人身事故を起こした、木下ふみこ都議が、無免許過失傷害などの
疑いで書類送検された。

木下都議は、7月4日に当選してから一度も姿を現していない。つまり一度も議員としての仕事をせず、議員報酬をもらい続けている。ではなぜ、木下議員を辞めさせることはできないのか?

書類送検され、これから検察の捜査がはじまるのであろうが、議員の身分をはく奪できるのは、禁錮刑以上が確定したときなのだ。もし木下議員の刑が執行猶予なら、議員資格をはく奪することはできない。

もし仮に禁錮刑が決まったとしても、控訴して裁判が続く限り木下ふみこ氏は議員のまま報酬をもらい続けることができる。

都議会で辞職勧告決議案が可決されてもいるが、これには法的効力がなく本人が辞めると言わない限り続けることができる。

木下議員を辞めさせる方法としては、リコールというものがある。ただしこれは有権者の3分の1以上の著名が必要となる。その時間と労力を考えれば、現実的とはいえないだろう。ほかに東京都議会在職議員の3分の2以上の者が出席し、その4分の3以上の者の同意があれば『除名処分』という懲罰を与えクビにすることができる。

ではなぜやらないのか? それは議員とは有権者が選んだ人であるから、問題がある人物だとしても、軽々にはできないこと。また、懲罰が主に問題となるのは、本会議や委員会での問題行動で、議員が議会活動と関係なく行った行動は懲戒処分の対象とはならないとされている。

他に、議員の4分の3以上の同意があれば除名できるとしても、多数派が気にいらない少数派を除名するようなことが起きかねないので、そうそうできないことなのだ。

つまり木下都議は、このまま働かないで議員報酬と政務活動費合わせて年2400万円をもらい続けることができるというわけだ。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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