毒親は子どもに捨てられる。そんな時代はもう来ている
社会・2021-09-15 18:24むかし、未成年は生活を見てくれる親がいる場合、生活保護を受給できないと言われていた。
「そんなの当たり前じゃん」
と思う人もいるかもしれない。しかしいまは、未成年であっても、条件が合えば生活保護をもらえるのだ。
「そんなのおかしい。税金の無駄遣いだ」というなかれ。世の中にはどうしようもない毒親というものがいる。暴力、暴言といった虐待。育児放棄する。めったに帰ってこないといった毒親は、昔からいる。いま、児童養護施設に入ってくるのは、虐待された子どもや、親の放任・怠惰が多いという。
そういう子どもも施設を卒業するときがくる。男の子の場合、ほとんど親は迎えに来ない。女の子だと、かなりの割合で迎えに来るという。理由は「女の子は金になる」からだそうだ。
こういう子どもが親元に帰りたくなく、住む場所や就職先もなかった場合、生活保護でしばらく生活を支えるのは税金の無駄遣いだろうか?
未成年だけではない。日本ではこれまで、儒教の「子は親を敬い従い支えなければならない」という道徳概念の影響か、運悪く毒親に育てられた子どもも、一生毒親にまとわりつかれてきた。
それにプラス、最近では子どもの頃から虐待を受け、搾取され続けてきた子どもに、親の介護という問題も出てきた。特に困窮している親は執拗だという。
毒親が嫌で家を飛び出し、縁を切ったつもりでも、「それでも親は親」「家族のことで他人や世間に迷惑をかけてはいけない」という日本社会の”常識”が、追いかけてくる。いまだに「老いた親の面倒を見るのは子ども」というのが【世の中の当たり前】とされてきた。
先進国の多くでは、親子親族であっても他人であり、そういう老いた親を支援するのは政府行政の仕事だ。日本も、やがてそれが常識になってくるだろう。
毒親は子どもに普通に捨てられる。そんな時代はもう来ていると言ってもいい。
プロフィール
おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。
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