【ユースバルジ】若者が増えると世の中が荒れるらしい

社会・2021-08-27 18:16
【ユースバルジ】若者が増えると世の中が荒れるらしい
閉じる

ユースバルジという社会学の言葉がある。【ユース】とは若者層。【バルジ】とは膨らみを意味する。人口ピラミッドで、15~29歳の男性人口が全体のおよそ3割を超えたとき、若者同士の競争から、エネルギーがうねりとなり戦争・紛争・暴動に向かうという説だ。

日本の場合、江戸時代末期から明治大正昭和に急激に人口が増えた。その間に何があったかというと、日本で内戦が起こって明治維新となり、その後、日本は清朝、ロシア、中国、英米と世界を相手の戦争を行った。

戦後のベビーブームで生まれた子ども達は、競争が激しくなり、60年代の学生運動で暴れまわった。日本の近代において、もっとも凶悪犯罪が多かったのがこの世代だ。

血気盛んな若い男が増えた時代、歴史的にも世の中や政治が不安定になる。60年代の学生運動なら、彼らは大学生というエリート層でありながら「自分にふさわしい地位が得られていない」という不満があった。
そこにたまたま学生運動という【暴れるキッカケ】があった。キッカケは、右翼でも左翼でも何でもよかった。思想などなんでもいいのだ。

アフガニスタンのタリバンも、最初は学生運動から生まれた集団だ。タリバンの意味は「学生たち」である。かれらも若きインテリ集団であった。

15歳~29歳の若い男は、本能として地位や、特に女性からの称賛や熱い眼差しを渇望する。若い男の人口が増えたとき、若い男同士の競争が激しくなる。ある程度勝ちあがったとしても、世の中はすでに既得権益を持った世代や、社会がある。

彼らは、そんな世の中など壊してしまえ、あるいは奪ってしまえと極端な行動に出るという。

よく中高年が「いまの若者は元気がない」「反抗心が足りない」というが、もしいま、若者層が人口の3割を超えるほど多くいたら、暴動や凶悪犯罪がとても多い時代になっていたかもしれない。

さて、どちらがいいものやら……

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

関連記事
社会新着記事