新宿区・文京区で都市ガス停止 現代社会の脆弱さ

社会・2021-08-25 18:47
新宿区・文京区で都市ガス停止 現代社会の脆弱さ
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新宿区と文京区の一部で21日夕方から都市ガスの供給が停止した。いまこれを書いている時点では、まだ完全復旧しておらず26日に元に戻れば……、とのことだ。

筆者の友人知人も被害に遭っており、「シャワーが水」「スポーツジムにシャワーだけ浴びにいった」「スーパーでカセットコンロが売れている」「飲食店は休業しちゃうし、自炊できないし、夜はずっとコンビニ弁当」などといった情報が入ってきている。

他にも「あちらこちらで道路工事をしていて驚く」「道路を闇雲に掘り返している感じ」などと言う人もいた。原因は水や土砂がガス管に詰まったためであるらしい。現代文明社会が、いかに脆弱かということだ。

我々は人類史上、もっとも科学文明、特に電気・ガス・水道・スマホといったインフラの恩恵を受けており、それが当たり前になっている。

蛇口をひねったら水どころか、お湯が出てくる便利さ。暗い場所を照らすどころか、我々の日常生活の多くを担っている電力の便利さに頼り切って生活をしている。

震災や台風被害などで、たまに断水や停電はあるけれど、日常生活の中でその恩恵が当たり前になり、もしものことはあまり考えない。

しかし今回のガス停止事故は、ある日突然その恩恵が、なくなってしまう可能性があることを教えてくれた。

おそらく遠くない将来、それは明日か10分後かもしれないが、必ず南海トラフ地震が日本列島を襲う。そのとき東京・名古屋・大阪を含む太平洋側が、大きな被害を受け、東日本大震災のときの中心被災地のごとく、日々の生活を支えるインフラは破壊されてしまうだろう。

東日本大震災や現在のコロナ禍を見てもわかるように、日本国は非常時に驚くほど無能ぶりを発揮する。いみじくもコロナの専門家が「自分の身は自分で守る行動が必要」と語ったが、いつ大災害が起こるかわからないいま、自分でできる準備はしておいたほうがいいだろう。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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