人はいつから【老害】になるのか?
社会・2021-06-17 18:56【老害】という言葉がある。
政界では、自民党の二階俊博幹事長が82歳、ライバルの麻生太郎財務大臣は80歳。菅義偉総理大臣は72歳である。彼らが老害であるかどうかは、読者のご判断におまかせする。
また、高齢になったからといって【害】になるわけではない。儒教の国である日本では、お年寄りは尊敬され、頼りになれてきたはずだ。そして人は誰しもがいつか年を取る。
しかし中には【老害】と言われ、若い人から迷惑がられる年寄りがいるのも事実。人はなぜ、そしていつから老害などと言われるようになるのだろうか?
『新語時事用語辞典』によると老害とは
「組織や社会で幅を利かせすぎて言動が疎まれる高齢者」
であるという。さらに
「前時代的な根性論を持ち出して若者をこき下ろす、自分を無条件に絶対的に敬うように強いる、自分の気にくわないことがあれば癇癪を起こす、てこでも譲歩しない」
とある。
まてよ……、これは年齢関係なくこのタイプはいる。若年性老害なのだろうか? どうも人は「学ぶことをやめたときに老害がはじまる」のかもしれない。
「学ぶこと」の中には世の中の価値観もあるだろう。世の中の価値観は、時代によって大きく変わる。
LGBTや同性婚、夫婦別姓は、わずか30年ほど前には常識外のことであり、世の中の多くは、これらを受け入れなかった。
30年ほど前には、パソコンも携帯電話も普及しておらず、携帯電話が普及しだしたとき、ある知識人が「携帯電話を使う人はバカだ。電話なら公衆電話で十分」と、携帯電話を否定していたことを思い出す。
それがいまでは、30年前のスーパーコンピューター以上の性能を持ったスマホをほとんどの人が使いこなすようになった。時代は常に変わる。常識も、普通も変わる。特に今の時代は、これまでにない速さで変化する。
時代に学ぶことをやめ、自分の時代という殻を破ることができず、権力を振り回すようになったとき、人は老害と呼ばれるようになるのかもしれない。
プロフィール
おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。
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