ワイドショーは国民を写す鏡である

エンタメ・2022-02-08 18:40
ワイドショーは国民を写す鏡である
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「大阪の病床率は100%を超えた! 死亡者激増! 医療崩壊!」といったショッキングな情報がマスコミから伝わってくる。ワイドショーではある大学教授が「家庭内感染対策として、何かする前後に必ず消毒。家の中でもマスクを必ず着用。幼い子供との入浴時もマスク着用」と訴えていた。

その一方、1月31日の大阪府豊中市保健所の公式ツイッターでは

「保健所長です。
オミクロン株については、季節性インフルエンザと致死率が変わらない、とのデータが蓄積しつつあります。「コロナをどの程度恐れるべきか」の大きな転換点が近づいていると感じています。
保健所は引続き重症化リスクのある方への支援に注力します。
冷静な判断や行動をお願いします。」

とあり、さらに2月7日では

「豊中市内の皆さま、保健所長です。
12/10~2/6に豊中市は9,206人の新規陽性者を確認し、4人の死亡報告を受けました。謹んでお悔やみ申し上げます。
4人は全て高齢者施設の80歳代から90歳代。
調査出来た3人は、「蘇生の希望なし」かつ「直接の死因はコロナではない」が共通しています。」

と、豊中市で亡くなった方で調査できた全員の「直接の死因がコロナではない」と明言している。おそらく豊中市の保健所長が、過剰に不安を抱えている人に向かって落ち着くようにとの意図なのだろう。しかしこういった情報をワイドショーはほとんど伝えない。

近年マスゴミとも揶揄されるワイドショーだが、いまや「世論はワイドショーが作る」と言われるほど国民への影響力があり、制作者は驚くほど優秀だ。

どう優秀なのか? 彼らの目的は一つ。視聴率を上げるためであり、この一点において大変優秀なのだ。彼らは、視聴者が求める情報を敏感に察知し反映する。だとしたら、良きにつけ悪しきにつけ国民の多くが「コロナはまだまだ怖い」と思っているということなのであろう。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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