協力金先払い? これまでの協力金も出てないのに?

社会・2021-07-27 20:00
協力金先払い? これまでの協力金も出てないのに?
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東京都内では、7月12日~8月22日の間、営業時間短縮要請などに応じる飲食店に対し、協力金を速やかに支給する「先払い」制度が導入されたそうだ。

ところがだ。この「先払い」を急ぐあまり5~6月分の申請受付が後回しになっているという。

5~6月分の申請受付が後回しということは、当然その分の協力金も後回しになる。しかしなぜか7月12日以降に短縮要請などに協力する飲食店に「先払いで払いますよ~」というわけだ。

つまり行政いわく「5~6月は協力してくれてありがとう、でもお金は後回しね、その代わり7月からも協力してね、その分は先に払うから」というわけだ。

いやいや、だったらさっさと5~6月分の協力金の申請を受け付けて払えよと思うのだがどうだろう? それ以上にこの先払い金を払うというのは信用できるのだろうか?

協力金の遅れに対して小池百合子東京都知事は、7月9日の会見で「4月分の協力金については9割処理済みになっていますし、はっきり申し上げて、他の都市よりスピード感をもって対応してきている」と胸を張ったという。

4月分の協力金が7月になって支払われていることを自慢されても仕方がない。4月の協力金なら4月中か遅くとも5月に支払うべきであろう。飲食店というのは元々自転車操業になりやすい業種なのだ。

実は政府にお金がないわけではない。7月26日の読売新聞から引用しよう。

「国の2020年度予算のうち、21年度への繰越金が過去最大の30兆円超に達する見通しとなった。新型コロナウイルスの感染拡大に対応するため、巨額の補正予算を3度組んだが、総額の5分の1前後が執行されずに持ち越された」

せっかく確保した予算の5分の1が使われなかったのだ。その結果見殺しにされた国民がたくさんいることだろう。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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