性的退行？ 未婚者の3割が交際相手いらない。30代後半３～4人に1人が童貞処女

生涯未婚率が年々上昇しているのはご存じだと思う。ちなみに生涯未婚率とは50歳までに生涯一度も結婚したことがない人を指す（あ、筆者だ（泣））。国立人口問題研究所のよると、現在おおよそ男性の4〜5人に1人、女性の6〜7人に1人が生涯未婚だという。

ちなみに1970年だと生涯未婚率は2～3％程度でほとんどの人が結婚していた。第15回出生動向基本調査によると、男性で7割、女性で6割が交際している異性はいないという結果が出ている。

また「特に異性との交際を望んでいない」という人が18～34歳で男性30.2％、女性25.9％もいるのである。

さらに性経験のない未婚者は男性で35～39歳だと、26.0％、女性は33.4％、男性はおよそ4人に1人が童貞、女性は3人に1人が処女ということになる。

では彼らは結婚したくないのであろうか？　やはり第15回出生動向基本調査によると「一生結婚するつもりはない」と答えた男性は12％、女性8％。「いずれ結婚するつもり」と答えたのは男性85.7％、女性89.3％とほとんどの男女が「いつかは結婚したい」と考えているようだ。

ちなみに「一生結婚するつもりはない」と答えた男女のうち4～5割はかつて「いつかは結婚したい」と考えていたという結果が出ている。

未婚者の多くは、結婚したくないわけでも、性に興味がないわけでもないのだ。思えば就職氷河期世代は、もう50代になっている。正社員であったとしても、日本の給与は90年代よりも低くなってしまっている。

昭和時代のように貧しさが当たり前で、将来に希望があった時代と違い、現代日本では経済的に潤ってないと、結婚どころか恋愛もむつかしい。生活が苦しい未婚者は結婚も恋愛もあきらめてしまう傾向にあるようだ。このままでは、生涯未婚率は増え続けることになるだろう。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学教養学部非常勤講師。 2008～2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。