なぜ日本は原爆を落とされたのか

社会・2021-08-07 18:09

1945年の夏、日本に2発の原子爆弾が落とされた。たった2発の爆弾で、長崎・広島の罪もない人々数十万人が死亡した。なぜこれほどの人たちは原爆で殺されねばならなかったのだろうか?

ときは第二次世界大戦、世界は米・英・ソなどの連合国と日・独・伊の枢軸国と2派に分かれて戦っていた。

当時、ドイツのヒトラーはユダヤ人迫害を続けていた。そのためユダヤ系の多くの科学者が米国に逃げ、ドイツが原爆の研究をしているのを知ると、ルーズベルト大統領に原爆開発を進言。1945年7月、米国は原爆を完成させる。終戦1カ月前のことであった。そのため日本は降伏寸前、ドイツ、イタリアはすでに降伏していた。

米国が原爆を落としたのは、一般的に「米国の若者をこれ以上死なさないため」と言われている。はたしてそうか?

答えはノーだ。米国は日本が降伏した後のことを考えていた。いまでこそ米国とソ連は連合国として手を組んでいるが、戦争が終わると資本主義国と社会主義国として対立することは目に見えている。

連合国として勝利したソ連が、日本列島を手に入れた場合、ソ連は太平洋に自由に出られることになる。もし後に米ソが戦争をすることになった場合、太平洋にいるソ連艦隊と戦わなくてはならなくなる。

原爆は人類史上もっとも大きな破壊兵器。それを日本に落とすことで、戦争終了後の他国、特にソ連を威嚇し、米国に逆らえないようにするのが、日本に原爆を落とす目的であった。

次に原爆はまだ誰も使ったことのない兵器である。それを都市部に落とすことで、どのような被害を与えることができるのかを調べることも、目的の一つであった。そのため東京大空襲で、焼け野原状態の東京に落としても意味はなく、目立った空襲がなく軍事施設があった広島に落とされた。長崎は第一目標の小倉の天候の都合で長崎に変更された。

2発の核兵器は全世界に衝撃を与え、あまりの威力からその後使われていない。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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