愛知県知事リコールの会は本気だったのか?

社会・2021-05-21 18:08
愛知県知事リコールの会は本気だったのか?
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愛知県の大村秀章知事の解職請求(リコール)運動をめぐる不正署名事件で、署名活動団体「愛知100万人リコールの会」事務局長の元県議、田中孝博容疑者ら4人が逮捕された。

そもそもなぜ大村知事へのリコール運動が起きたかというと、2019年に実施されたあいちトリエンナーレ「表現の不自由展・その後」で、昭和天皇の写真を焼却する作品や平和の少女像という名の慰安婦の彫像があり。抗議が殺到。中には「ガソリンを持っていくぞ」などテロ予告ともとれるような過激なものもあり、展示会は中止。

そして「このような展示会に税金と使うとはけしからん。責任者である大村秀章知事をリコールせよ!」と、「愛知100万人リコールの会」が生まれ、会長に高須クリニックの高須克弥院長が会長に就任。

応援者には、名古屋市長の河村たかし氏や、小説家の百田尚樹氏、評論家の竹田恒泰氏、中部大学の武田邦彦特任教授、ジャーナリストの有本香氏といった保守系著名人がいた。

そして著名集めをはじめるのだが、目標100万筆のところわずかに約7万筆しか集まらなかった。これは有権者人口比でいうと、わずかに1.2%に過ぎない。

そこで焦った田中容疑者は、アルバイトを雇い大量に著名させ、最終的に43万5000筆の著名をでっち上げたというもの。8割が不正著名であったのだ。

ここで不思議なのは、彼らは本当に100万筆集まると思っていたのだろうか? 彼らを支持しているネトウヨと言われている人たちは、国民のわずか1.7%くらいしかいないのだ。

そのわずか1.7%のノイジーマイノリティ(うるさい少数派)は、SNSなどネットですごく目立つ。リコールの会の中心人物たちは、そのうるさい少数派を、本当に多くの人が自分達を応援しているとおもったのだろうか?

だとしたら「リコールの会」の中心人物たちは、かなり痛々しい人たちということになる。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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