クローン技術による絶滅した動物の復活と永遠の命
社会・2022-08-18 18:48近年の遺伝子工学やクローン技術の発達はすごいものがある。シベリアの永久凍土で凍っているマンモスの死体からDNAを取り出し、復活させようという活動がすでに行われている。科学者が復活させようとしている動物はマンモスだけではない。オーストラリアやニューギニアで生息していたタスマニアタイガー(フクロオオカミ)もそうだ。
タスマニアタイガーの絶滅には、人類の関与か大きくあるとされ、それゆえに科学者たちも種の復活を望んでいるという。また、オオカミとの類似性から、進化について調べるため、その価値があるという科学者もいるそうだ。クローンによる種の復活は、いま絶滅しつつある多くの動物たちを絶滅から防ぐ手立てとしても有効であるという。
もう一つの理由は、クローン研究には大きな目的がある。「あなたの命」だ。
あなたが高齢で寿命が尽きようとしているとする。しかしクローン技術を使って、若い肉体を手に入れることができるとしたら? 最初はがんに侵された臓器などをクローンで再生し、パーツを入れ替えるだけかもしれない。しかしやがて肉体全体を再生させ、脳にあなたの体験や記憶を移植することで、何度も若返ることができるようになるかもしれないのだ。
クローン技術ではないが、あなたの生前の行動や発言を記録しアバターとして、仮想空間で生き続ける研究も進んでいる。もし実現したら、仮想空間の意識は「魂」に近いものになるのだろう。あるいは、そのアバターは仮想空間内の世界で肉体と五感を持ち、食事やSEXを楽しむ生活ができるようになるかもしれない。
たしかに絶滅した動物の復活にはロマンがあるし、意義もあるのだろう。永遠の命や不老不死は人類誕生以来の悲願でもある。しかし絶滅した動物を復活させることは、本当に正しいことなのだろうか? クローン再生した自分や、デジタルの中の自分は本当の自分なのだろうか? これらの技術を「神の領域」とし、研究するべきではないという人もいる。しかしもう止めることはできないだろう。そして遠くない未来において一部は実現するに違いない。
『ホモ・デウス』の著者で歴史学者のユヴァリ・ノア・ハラリは、今後人類が目指すのは、「不死」と「幸福」、「神性」と説いた。人間は永遠の命と永遠の幸福を求め、神になろうとしているのだろうか?
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