年寄りの黄金時代がやってきた!?

社会・2021-04-06 21:24

朝の情報番組はテレビ朝日の『羽鳥慎一モーニングショー』が視聴率第1位であるという。テレビの視聴データを提供している『スイッチ・メディア・ラボ』によると『羽鳥慎一モーニングショー』は、圧倒的に65歳以上が観ている高齢者向けの番組であるという。

もっともテレビ視聴者の多くが高齢者なのはこの番組ばかりではない。ある調査によると「テレビを保有しない、または1カ月以内にテレビを視聴したことがない 」という10代後半は14.5%、20代は15.0%と、若者のテレビ離れは明らかだ。

テレビだけではない。紙媒体の週刊誌は、ほとんどが、70歳以上がもっとも多い読者層で、近年急激に発行部数が減っている新聞も、総務省の2019年9月の発表によると、20代は6.2%、30代は11.7%しか読んでいない。

マスコミも商売だから、お金になる客層向けになるのは仕方がないことで、マスコミは自然と老人たちに注目されるようなものを作るようになる。広告も健康や旅行、趣味などが増えてきている。

政治も同じで20代の投票率が3割程度に対して、60代は7割、70代以上は6割と圧倒的に高齢者が高い。政治家は当然、高齢者が望むような政治をするようになる。

つまりテレビも新聞も週刊誌も、そして政治も高齢者向けになっているのだ。ワイドショーや政治家が、コロナ禍でやたらと出歩く若者叩くのもわかる気がする。

急速にインターネットから情報を得ている人が増えているとはいえ、メディアの主流はいまだテレビや新聞で、政治家は年寄りを重要視している。

と、すると、いまはまさに年寄りの黄金時代と言っていいのかもしれない。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学教養学部非常勤講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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