飲食店に行くな！ 旅行には行け！

閉じる

大坂府・兵庫県・宮城県に『まん延防止等重点措置』が出された。といっても、この『まん防』こと『まん延防止等重点措置』についてよく理解している人はそう多くない。

政府によると『まん防』とは緊急事態宣言を出す前段階から私権制限を部分的に行い、違反者に罰則を科せるようにできるもので、飲食店などが命令に応じない場合20万円の過料となるという。

朝日新聞の報道によると、首相官邸幹部がこのまん防の効果は「やってみないとわからない」と言っちゃったという何とも命令を出す方も出される方も【？】なものであるらしい。まあ、3月末まで行われた『まん防』より厳しいはずの緊急事態宣言中も、ほとんど効果はなかったようで、宣言中も陽性者数は上がり続けていたわけだが、この『まん防』なるものも、はたしてどうなることやら？

そんな折も折、自民党の二階俊博幹事長が4日に放送されたBSテレ東の番組で、GOTOトラベルについて、再開した場合の感染リスクを認めつつ「恐れとったら何もできない」と述べたという。さすが二階氏は『全国旅行業協会』会長。国民の感染よりも自分の利権を
追及したいのかと疑いたくなる。

二階氏いわく「みんな常識があるから大丈夫」「日本の医療は進んでいる」「隣近所に信頼できるお医者さんが、いてくれる」と、政府が日ごろから「日本の医療体制がひっ迫している」とか「医療崩壊が起きてもおかしくない!　だから緊急事態宣言だ！」「だから時短要請だ！」と、言っていることと正反対の主張をする始末。

つまり政府は国民に「飲食店に行くな！　でも旅行には行け！」と言いたいのだろうか？

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学教養学部非常勤講師。 2008～2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。