日本は今後引きこもり化していくのか?

社会・2021-05-04 09:10
日本は今後引きこもり化していくのか?
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江戸時代は、それまで盛んにやっていた海外交易をほとんどやめた鎖国時代である。鎖国してもやっていけたのだ。食料も富も国を閉じても内需だけでまかなえた。それだけ豊かであったということだ。

当然、日本はガラパゴス化し、文化も国民性も独自のものになっていく。その間、自国だけで食えない西洋は海外にどんどん植民地を作っていった。実は日本も安土桃山、いわゆる戦国時代までは普通に東南アジアや中国に交易したり進出したりしていたのだが、江戸時代になってから鎖国してひきこもってしまった。

地政学にはランドパワー(陸の勢力)とシーパワー(海の勢力)という考え方がある。ランドパワーの国は、ロシアや中国。シーパワーの国はスペイン、ポルトガル、オランダ、イギリス、アメリカである。

シーパワーの国は海を渡って覇権国となっていったが、ランドパワーの国は大陸の中から動かなかった。日本の場合、シーパワーの国から江戸時代だけランドパワーの国になった。

幕末期、東の覇権国である清がアヘン戦争であっさりイギリスに負けると、日本は大急ぎで徳川幕藩体制から明治新政府となり、シーパワーの国になった。鎖国を解いたのである。

そして数十年で日本は東の覇権国になったが、連合国に負けた後もシーパワー国のままで世界2位の経済大国になった。

しかしバブル崩壊から30年たち、「日本はもう先進国ではない」と言われるがごとく、いまだハンコは廃止できず、IT化も進まない。また、企業の海外進出意欲は止まり、海外赴任を嫌がる若者も過半数を超すようになった。鎖国化ならぬ引きこもり化だ。

グローバル化が進む時代、再び日本人は江戸時代のように島に閉じこもるようになっていくのだろうか? あるいはコロナ騒動が落ち着いた後、再び海の外に出て行こうとするのか? それはまだわからない。

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