【少子化問題】かつて日本にあった二人っ子政策

社会・2020-11-13 17:36
【少子化問題】かつて日本にあった二人っ子政策
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少子化が問題視されて久しい。しかし日本にはかつて人口増加を心配し【二人っ子政策】がとられたことがある。

終戦後から70年代はじめ、日本人口はどんどんと増加していった。1950年の日本人口は8400万人、それが1970年には1億人を超え、75年には1億1000万人を超えるほどであった。

兄弟の数は、終戦直後の1940年だと兄弟数は4.27人。あの貧しい時代に一組の夫婦は4~5人の子どもを産んでいたのだ。同年の生涯未婚率は男性で1.74%、女性は1.47%であった。成人のほとんどが結婚したくさんの子どもを作った。当然、人口は増える。

おそらく人口が1億人を超えた1970年あたりから公害問題が顕著になり、73年にはオイルショック。「このままでは資源がなくなり人類は滅ぶのでは?」という不安が日本だけではなく、世界中で「人口爆発」として問題化されていた時代であった。

1974年、旧厚生省は、『日本人口の動向-静止人口をめざして―』を刊行。静止人口というのは、これ以上、人口が増えないようにしようという意味で、内容は夫婦の子どもは「2人」を目指しましょう。ということ。時は第2次ベビーブームの真っ最中である。

新聞やテレビも大々的にこの二人っ子政策に乗り「子どもは二人まで」と、大々的に報道した。するとそれが功を奏したのか、さっそく翌年の1975年から少子化がはじまり現在まで続いている。

現在の少子化問題は、70年代の政策が原因であったのだ。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学教養学部非常勤講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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