トランプ大統領とは何者だったのか?

社会・2020-11-09 15:09
トランプ大統領とは何者だったのか?
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アメリカ大統領選は、バイデン氏の当選で終わりつつある。いかにトランプ氏が裁判に持ち込んでゴネようとさすがにひっくり返りそうにない。

この4年間、何をしでかすかわからない大統領として、彼は常に注目されてきた。

思えばドナルト・トランプ氏は不思議な大統領である。4年前の選挙で彼は移民を攻撃して人気をとったが、トランプ氏の妻、メラニア夫人はユーゴスラビア出身の移民なのだ。

やはり4年前の選挙の時、トランプ氏は金融の街、ウォール街を攻撃することで人気を得たのはご存じの通り。ウォール街はユダヤ系が支配しているとさえ言われる街。

ところが。トランプ氏の右腕であるジャレッド・クシュナー上席顧問は、正統派ユダヤ教徒、つまりユダヤ人。そしてトランプ愛娘で大統領補佐官でもあるイヴァンカ氏はクシュナーと結婚しており、ユダヤ教徒に改宗しているから、愛娘もユダヤ人ということになる。

それでいてアメリカのユダヤ人たちがトランプ氏を応援したかというと、さにあらず。アメリカの主要マスコミはユダヤ系が牛耳っているが、主要マスコミは偏向報道かと思わせるくらいに反トランプ一色であった。

トランプ氏を支持しているプア・ホワイトと言われている白人たちも、このことは知っているはずなのに、なぜか見て見ぬふりをしている。

いまアメリカ合衆国における人種の割合は、白人が60.4%、アフリカ系13.4%、ヒスパニック系(中南米系)18.3%と、白人層が圧倒的に多いとは言えなくなってきた。

そんな白人たちにおいて、多数派から少数派になってしまうのではないかという不安と焦りが、トランプ氏の言う「昔の強いアメリカを戻す」は、白人層に「白人が強かった時代に戻す」という意味に受け取ったのかも知れない。

それにしても、今回の大統領選で、主要マスコミが反トランプ・キャンペーンを行うなか、これまでにない大接戦をしたドナルド・トランプ氏とは何者だったのか?

おそらくしばらくトランプ氏による混乱は続くだろう。トランプ氏から、まだまだ目を離せない。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学教養学部非常勤講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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