あいまいな憲法解釈より憲法改正が必要
社会・2022-03-27 15:53戦後から平成にかけて「日本を攻めてくる国などない」「憲法9条があるから侵略されない」という言論が【進歩的で良識的】とされてきた。
そういった人たちは、憲法は一文字たりとも変えてはならないと主張している。
しかし台湾危機、尖閣諸島などの侵略行為が、いつ現実となってもおかしくないいま、この言論を支持する日本人は少数派だろう。ところが日本というのは戦後77年間、一度も憲法に手を加えていない稀有な国なのだ。
時代によって起こる問題は変わってくる。よって時代に合わせて憲法は改正するのが当たり前のはずなのにだ。
ざっというと、2017年のデータではドイツ59回、フランス24回、イタリア20回、米国6回、インドなどは99回も改正が行われているのに、日本のみ0回だ。
日本の場合、改正は行わず【解釈を変える】ということが行われてきた。日本は軍事力世界10位以内なのに「自衛隊は軍隊ではない」と言ってきたがごとく。
しかしこういうことを放置しておけば【憲法は解釈でどうでもなる】ということになってしまう。
これではいまロシアがウクライナ戦争で主張している「これは平和維持活動で戦争ではない。『特別軍事活動』だ」と言っているのと同じで、戦争も平和行為と解釈する可能性すらある。だって自衛隊は軍隊じゃないと言ってたし。
そうならないためには、解釈によって意味が変わるなどということがないよう、定義を決め、曖昧を避けるようにしたほうがいい。
それともう一つ。日本の政治家は知らない人も多いようだが、憲法は【国家権力から国民の権利と自由を守るためにある】のだ。このままでは、あほな政治家が国家に都合がいい解釈をして、国民の権利と自由を侵害しかねない。
筆者は憲法改正より【憲法解釈でどうにでもなる】という考え方の方が危険であると考えているのです。
プロフィール
おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。
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