男の酒道VOL.19 ~函館からの何かしら~ 男爵いも編

地方・2022-04-26 15:18
男の酒道VOL.19 ~函館からの何かしら~ 男爵いも編
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ようやくタイヤ交換なんぞいたしまして、危うく腰を言わせそうになりました。

さて、今回は【いも】です,芋のお酒ではなく、【いも】そのものです。

北海道なので芋と言ったらジャガイモです。現在99種が品種登録されています、
皆さんも【男爵】とか【メークイン】とか聞いた事も食べた事もあるでしょう。

今回はこの【男爵】についてお話をしたいと思います。
でんぷんの含有量が約15%と高く、食感は《ほくほく》しています、煮崩れしやすいのでマッシュポテトや粉吹き芋、コロッケ等に適してます。

私が小さい時は男爵イモに十字の切れ目を入れて蒸かした物にバターを乗せて食べていたものです。

函館では、ご当地の食べ方として、更に【イカの塩辛】を乗せて食べます、高血圧と通風には気を付けたいところであります。
さて、この【男爵いも】は函館の隣町である【七飯町】が発祥の地です、そして何故男爵なのか?実は本当に男爵が深く拘っている芋なのです。

男爵の名は【川田 龍吉/かわだ りゅうきち】。
安政3年、土佐藩士の父【川田 小一郎】の長男として生まれ、小一郎は、あの【岩崎弥太郎】と共に三菱を創立、その後、第3代の日銀総裁にもなり男爵位も授かります(翌年死去)。
その後、父の死去に伴い龍吉が爵位を相続します、龍吉は若い時(1877年から7年間)に岩崎弥太郎の命令で船舶機械技術を学ぶ為、スコットランドのグラスゴー大学に留学します。

日本のウイスキーの父と呼ばれる【竹鶴政孝】がスコットランドに行ったのが1918年なので、40年も前!それだけでも凄いなと思ってしまいます。

話しを戻しまして龍吉が船舶機械技術を実地研修しているのと同時に欧米式の農業にも触れたようです。
その後なんやかんやあり(調べてみて下さいw)1906年に【渋沢栄一】にお願いされ、【函館ドック】に専務取締役として就任、北海道に生活をうつすことになりました。*日露戦争後の経済悪化を食い止める為だそうです、函館ドックの仕事の傍ら農場も経営します。

1908年に【アイリッシュ・コブラー】と言う馬鈴薯を輸入して作付けします、これが男爵イモと呼ばれるようになり現在も続いております。
1913年に函館ドックを退社し、更に農業の近代化に注力致しました、北海道の農業が欧米化しているのも、この川田男爵のおかげです。

間違いなく食の宝庫と呼ばれる北の大地の礎になった方でしょう、ちなみに100年以上も同じ銘柄が作られている農作物は珍しいそうです。
現在この七飯町の【道の駅】に川田隆吉の資料館があります、この道の駅の話しを次回書こうかと思ってます。

龍吉の一生で面白いドラマが作れると思うんだけど。。。
何故か近代日本のドラマってあんまりやらないよね?しらんけどw

イモ料理は、お酒の親友です。
本日も貴方の酒道が素晴らしい物でありますように。

監修
Bar ADDICT
〒040-0035 北海道函館市松風町20‐1
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