【歯科検診義務化】その理由と重要さ 歯は全身の病気と関係あり

社会・2022-06-13 18:59
【歯科検診義務化】その理由と重要さ 歯は全身の病気と関係あり
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6月7日、政府は経済財政運営の指針として『骨太の方針』として盛り込まれたのが、「国民階歯科検診」、歯科検診の義務化を検討している。

歯科検診の義務化と聞くと、中には「歯医者を儲けさせるためだ」と陰謀論めいた発想をする人がいるかも知れないが、その理由は逆で、医療費全体を抑えるためだという。

現在、成人の7割もが歯周病に罹患している。この歯周病が全身のいろいろな病気と関係しているのだ。しかし歯周病の検診に行く人は少ない。

しかし歯科医にちゃんと口腔ケアをしてもらっている人は、他の病気で入院したとしても入院日数が少ないというデータがあるのだ。

厚労省の資料によると、消化器外科で入院した場合だと

・ケアなしの人の入院日数は42日。ケアをしている人は29日。
・心臓血管外科の場合ケアなし38.6日、ケアあり29日。
・血液内科(悪政リンパ腫)ではケアなし122.9日、ケアあり57.5日

と、大きな差が出ている。

さらに、香川県歯科医師会の調査によると、40歳以上で歯科検診を年間3回以上やっている人とやっていない人の年間医療費の差は約9万円も差がでるらしい。

歯周病は、口だけではなくがん・動脈硬化・糖尿病・心筋梗塞・認知症など全身の病気の原因となり、歯科検診を義務化することで日本の年間医療費が数兆円も減額することができるというのだ。

口の衰えは、食べることと喋ることである。つまり食べにくくなると肉体の衰えやすくなってしまう。

さらに喋ることは社会的行為なので、喋りにくくなったり活舌が悪くなると、人の会うの嫌になり社会的孤立に関係してくる。

欧米人と比べ、日本人は歯のケアについて意識が薄いという。健康な毎日を送るためにも。歯科検診は重要なのだ。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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