【全国出生率】子だくさん県の理由とは

社会・2022-06-06 18:52
【全国出生率】子だくさん県の理由とは
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厚生労働省の発表によると、2021年、女性が生涯に産む子どもの数に相当する合計特殊出生率は1・30であり、前年より2万9231人少なく6年連続の低下となった。

さて、出生率上位県は、1位沖縄、2位鹿児島、3位宮崎、4位島根、5位長崎であった。

出生率が低い都道府県は、ワーストで1位東京、2位宮城、3位北海道、4位秋田・埼玉・神奈川・京都という結果である。

低い都道府県は、首都圏と北国が多く、高い県は島根以外九州と沖縄である。それともう一つ、出生率が高い5県にはある共通点があるのだ。

それは年収の低さ。都道府県で低い年収11番以内に出生率上位県がすべて入っている。年収ランキングで、沖縄は47都道府県で47位、鹿児島43位、宮崎44位、島根36位、長崎37位である。

大学進学率ではどうか、沖縄47位、鹿児島46位、宮崎43位、島根41位、長崎36位とこれも低い。

2019年に文科省が行った全国学力テストでの順位はどうか? 沖縄41位、鹿児島37位、宮崎36位、島根44位、長崎23位と、長崎のみ中位であとは下位である。

むかしから「貧乏人の子だくさん」という。また成績優秀とは言えないヤンキーとビッチがカップルになり、考えなしに子どもを作ってしまうという印象もある。これだけ見るとそれらが当たりそうだが、もちろんそんなことはない。

年収の高低と、出産育児のしやすさと正比例するとは限らない。東京で7万円の家賃だとワンルームがせいぜいだが、九州や島根だと一軒家が借りられる。地元に親兄弟が住んでいれば、子育てを手伝ってもらえる。大学進学率はその県に大学が多い少ないが関係する。

内閣府の「都市と地方における子育て環境に関する調査」によると、首都圏や東北、北海道は子育てが「とてもしにくい」の数値が高く、九州・沖縄は低くなっている。子だくさん県は子育てしやすい県ともいえそうだ。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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