AV嬢は知的障がい者が多い? AV業界は崩壊寸前という噂は本当か?

エンタメ・2022-07-04 18:40
AV嬢は知的障がい者が多い? AV業界は崩壊寸前という噂は本当か?
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しばらく前にフェミニストの人が「AV女優は知的障がい者や、コミュ障が多く、業界から搾取されている」という話を聞いたことがある。筆者自身、ピンク映画の監督やAV監督に知り合いが何人かいて、そういった人たちから、AV女優さんを紹介されたこともあるが、少なくとも筆者と知り合ったAV女優さんは、知的障害どころか、むしろ知的に優秀でコミュニケーションにも長けた人が多かった。

AV女優という仕事柄を考えてみれば、それは当たり前のことで、撮影前(多くは直前や当日)に台本を渡され、セリフを覚え、アドリブの演技を求められる。

そしてSEXという究極のコミュニケーションを演技で行うのだから、優秀でコミュニケーション能力が高くないと出来ない仕事なのだ。もちろん中にはそういった面で問題を抱えた女性も入ってくるが長続きはしない。

「スカウトに騙されて業界に入ってくる子が多い」という噂もある。騙されてかどうかは知らないが、確かにスカウトで入ってくる子はいる。だが意外かも知れないが、いまどきはスカウトより求人サイトからの応募の方がほとんどで、スカウトは滅多にないらしい。

とはいえ、悪質なスカウトマンが完全に駆逐されたというわけではない。これは他の性産業でも同じであろう。

そしてこの前「AV業界が崩壊寸前」という噂も聞いた。レンタル店が激減し、スマホやパソコンで無料で観られるいま、AV業界は斜陽産業であることは確かだろう。

さらにAV出演者が無条件に契約を解除できることなどを定めた「AV出演被害防止・救済法」(AV新法)が成立したいまとなっては、相当な打撃を受け、大手以外の制作会社やプロダクションはほとんどが潰れるのではないかと言われている。

AV新法は「AVに出演する女性は被害に遭う」ということが前提に作られた法律で、新法では、撮影終了から4か月の公表を禁止、契約に問題がない出演作であっても、映像の公表から1年間は無条件で契約を解除し、販売や配信の停止もできるというものも含まれている。

これがどういうことになるかというと、作品が完成した後、男優やエキストラを含む出演者が「あ、やっぱり販売や配信はやめて」と言えば、100万円以上かけた作品もDVDも売れなくなってしまうってことだ。

これでは怖くて、新人もエキストラも使えず、出演者が多い作品は作れない。ドキュメンタリーもドラマも無理。

制作会社が安心して作れるのは、ベテラン女優さんとベテラン男優さんとの予定調和の作品くらいだろう。すると大手以外は制作をやめてしまうか、裏の世界に行くことになる。

結果、業界自体が無くなるということはなさそうだが、裏が増えるとしたら規制されてきたこともなくなり、かえってAV新法でつらい思いをする人が増えるかも知れない。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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