日本人の半数はすでに余命かもしれない
エンタメ・2022-04-25 18:16少子高齢化が進む日本だが、全日本人の平均年齢は2020年の段階で48.4歳。ざっくりと50歳前後がいまもっとも多い年齢であるらしい。
では、そもそも人間は本来何歳くらいまで生きる生物なのだろう? 日本の場合、縄文人の平均寿命は15歳くらいだったらしい。これは乳幼児が多く死んだから。昔の人の平均寿命が短かったのは、基本的に子どもの頃に多くが死んだためだ。
子どもの伝統行事に「七五三」があるが、これは3歳・5歳・7歳まで生き残れたことに感謝し、お祝いしたのがはじまりだという。昔は「7歳までは神のうち」として、7歳まではいつ死んでもおかしくないため、例え死んでも神の世界に悲しみすぎないようにしたらしい。
ある研究によると、江戸時代は2割くらいが、一歳未満に亡くなり、出産した母親も10人に1人以上が亡くなったという。しかしある一定の年齢以上生き残ることができた人の中には、80代90代まで生きる人もいた。
それでも江戸時代の歴代将軍の平均寿命は50.2歳。天皇の平均寿命は47.8である。将軍家も天皇家も、庶民に比べればはるかにいい食事をし、最高の医療を受けられた人々にして50歳前後で亡くなっているのだ。将軍も天皇も、就任するときはある程度の年齢になってからがほとんどなので、人間本来の寿命は、やはり50歳前後なのかもしれない。
ちなみに日本ではじめて定年制ができたのは、1887年(明治20)で定年は55歳。その頃の平均寿命は44歳程度。
国民年金の施行が決まったのは1961年(昭和36)で、この年の男性平均寿命は約66歳、受給年齢は65歳であった。
日本人の平均年齢は48.4歳。半数の人は、人間本来の寿命より長生きしているのかもしれない。つまり半数の人は余命を過ごしているとも言える。余命になる年齢になって、毎日ストレスを抱えて生きるのも大変だ。なるべくのんびり呑気に余生を過ごしたいものだ。
プロフィール
巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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