プラシーボ・ノーシーボ効果 人は思い込みで変わる
エンタメ・2021-10-19 18:02新型コロナワクチンの接種が進むに従い、SNSなどで「副反応がひどい。ワクチン怖い」といった書き込みが目立つようになった。もちろん「なんでもなかった」という書き込みも多くあるが、人間という生物が注目するのは、より悪い報告だ。
当たり前だが、どんな薬にも副作用・副反応はある。市販の薬にだってあるし漢方薬にもある。正作用より副作用・副反応が気になる人は、気にしない人よりはるかに副作用が出やすいことが知られている。
逆に、副作用・副反応より「この薬は効く」と、思って服用した人は通常以上によく効くことも知られている。
この暗示作用は、良いほうに効くことをプラシーボ(プラセボ)効果、副作用が強く出ることをノーシーボ(ノセボ)効果という。これは、ただの心理だけではなく、身体にも大変な反応が起こるのだ。
新薬を開発するときは、本物の新薬と効果がない偽薬をいろいろな人に飲ませてデータを取る。そして偽薬以上の効果がないと、新薬として認められない。ある意味プラシーボ(偽薬)効果はそれほどの力があるのだ。
これは薬に限らない。プラシーボという思い込み効果は、人生のあらゆるところで見られる。「きっとうまくいく」と思っている人と「なにをやっても自分はダメだ」と思い込んでいる人は、普段の態度、行動、結果が違ってくるし、結果の受け止め方も違うだろう。
自分はモテると思っている人はモテるようにふるまい、モテないと思っている人は異性を避けようとするかもしれない。呪いを信じている人は「呪いがかけられている」と知っただけで、本当に死んでしまう人もいるという。
どうやら思い込みというのは、その人を変えてしまうほどのものがあるらしい。どうせなら、自分にとって良い方向の思い込みを持ちたいものだ。
プロフィール
おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。
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