【歴史】中世~現代 ユダヤ人に寛容な国が覇権国になってきた

社会・2020-11-24 12:37
【歴史】中世~現代 ユダヤ人に寛容な国が覇権国になってきた
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ユダヤ人とは不思議な民族である。地球人口の0.2%しかいないのに、ノーベル賞受賞者22%。ノーベル賞の5分の1を占めているのだ。

旧約聖書によると、神がユダヤ人の始祖とされるアブラハムについて、次のように語りかけている。

「あなたを祝福する者をわたしは祝福し、あなたを呪う者をわたしは呪う」(創世記12章3節)

つまりユダヤ人に優しくした者にはいいことが起き、イジメる者にはひどい目に合うということだが、これは歴史上の事実として当てはまる。

中世の時代、スペインが覇権国であった時代、イベリア半島は、多くのユダヤ人が住んでいた。しかし15世紀末にユダヤ人追放令が出ると、多くのユダヤ人たちはオランダに移住し、スペインは覇権を失う。

オランダは宗教的縛りが緩く、ユダヤ人迫害も緩かった。16世紀はじめ、アムステルダム振替銀行、東インド会社設立がアムステルダムに誕生。オランダは覇権国となるのである。

17世紀、英国でユダヤ人追放令が解かれると、多くのユダヤ人たちが英国に移住してくる。
やがて国債金融の中心はアムステルダムからロンドンへと移り、産業革命が起こる。大英帝国が覇権国となる。英国の世界覇権は第二次大戦まで続く。

第二次大戦ではナチス・ドイツが次の覇権を狙っていたが、ユダヤ人虐殺を行ったためユダヤ人が米国に移住。すると今度は米国が覇権国となるのである。

まさに「あなた(ユダヤ人)を祝福する者をわたしは祝福し、あなたを呪う者をわたしは呪う」ではないか。

これまでユダヤ人という異民族を受け入れてきた国が覇権国となってきた。

次の覇権国を狙うのは中国だが、ウィグルやチベットを見てもわかるように、異民族に厳しい中国には無理かもしれない。これまで異民族に寛容であった国が、覇権国となっているのだから。

プロフィール

おぐらおさむ
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、社会問題全般に関心が高く、歴史、時代劇、宗教、食文化などをテーマに執筆をしている。2004年、富山大学教養学部非常勤講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。空手五段。

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